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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「みんな“指名漏れ”ばかり話題にするけど…」あるスカウトが語った慶大・清原正吾の“本当の功績”とは? 「野球界にすごく大きなものを残した」
posted2024/11/06 17:02
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Shigeki Yamamoto
今年も大きな盛り上がりを見せたプロ野球のドラフト会議。上位指名予想選手とは別に注目されたのが、慶大・清原正吾選手の去就だった。結果的にプロ球団からの指名はなかったものの、あるスカウトは一連の騒動を経て、清原選手が「野球界に大きな功績を残した」という。果たしてそれはどういうことなのだろうか。《全2回の2回目/最初から読む》
毎年ドラフト前の9月に入ると、プロ球団は候補選手たちのもとに「調査書」なるものを送り、正式なプロフィールやプロ志望の有無を記入、返送してもらってドラフトの正式資料にする。そしてそれが届いたことで「あの球団は獲得の意思を持っているんだな……」と思う選手や関係者たちも多かった。
一方で、近年はその「調査書」が複数球団から届いたにも関わらず、指名漏れする選手も少なくない。あるスカウトは「今は、調査書より面談ですよ。面談の申し込みがあったら、プロも本気かなと思ってもらっていい」と相対的な調査書の価値の低下を語っていた。
清原正吾選手が野球界に与えた“功績”
そんな中で今年のドラフトでは、注目された慶大・清原正吾選手にその「調査書」が届かなかったという報道も話題となった。
「清原選手に調査書が来なかったというのも、やっぱり清原選手だし、慶應大学だし、調査書を出したら会いに行かなくちゃ失礼になる。だけど、そこまで腹もくくれない。そういうジレンマの中で結局、引っ込めちゃったっていうことなんでしょうね」
「ただ……」と、前出のスカウトの方はこんなふうにも話を広げていった。
「みんな『清原選手がプロで通用するのか』『なんで指名がなかったのか』そんなことばっかり話題にするけど、彼って野球界にとってものすごく大きな功績を上げているの、気づいていないでしょ」