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監督も驚嘆!「私の指示、分かってんの?(笑)」箱根駅伝予選会で立教大学がまさかのトップ通過…強豪校相手にもビビらなかった勝因とは? 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byYuki Suenaga

posted2024/10/20 19:45

監督も驚嘆!「私の指示、分かってんの?(笑)」箱根駅伝予選会で立教大学がまさかのトップ通過…強豪校相手にもビビらなかった勝因とは?<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

10月19日の箱根駅伝予選会、季節外れの暑さのなかを力走する立教大学・馬場賢人(3年)。チームトップ、個人15位を記録した

 チーム内トップ、総合15位という結果を出した馬場も同感だ。

「監督は、何が足りないのかを見抜かれて、僕らに必要な練習を考えてくれました。もともとみんな、スピードがあったので、距離走などの練習で距離を踏むことで相乗効果になり、スピードを活かしながら後半も耐えられる地力がついてきたと思います」

結果を出すことで選手から得た信頼

 ただ、実績のない監督にメニュ―を与えられても選手は積極的に消化しにくいところもある。その点で言えば6月の全日本大学駅伝予選会を突破し、大学史上初の出場を決めたことが大きかった。監督のやり方は間違っていないと選手の信頼を得て、一気に選手の顔が監督に向いていった。

 髙林監督は、信頼を得て受け入れられるのを感じても、選手に上から無理を強いることはしなかった。立教大の良いところは、監督のメニューを受け入れつつも自分のコンディションを考え、「変えてもらえませんか」と言える自由さにある。立教大の駅伝部は元来、主体性を尊重する傾向にあり、それが今の選手にも引き継がれており、髙林監督もそれを「立教らしさ」として認めている。非常に風通しがいいのだ。

「迷いもストレスもなく、監督の言うことを信じてやってきた結果が、このトップ通過だと思います」

 林は、笑顔で、そう言った。

 髙林監督は、「選手は、変な勘違いをしないでほしいですけどね」と言いつつも笑顔だ。トップ通過を果たした要因を指揮官は、どう考えていたのだろうか。

勝因はとにかく「準備」

「準備をしっかり出来たからだと思います。この選手たちしかいない状態だとやっぱり結果を出すのは厳しいと思うんです。うちは決して万全ではなかったですし、実際に稲塚(大祐・4年)が走っていないですけど、今回、走ったメンバーもそうですし、メンバー外の選手もしっかりと準備が出来た。それがトップ通過に繋がったと思います」

 準備をしっかりして臨んだことで、今回のレースでは大きな収穫も得た。小倉史也(3年)が68位、原田颯大(2年)が80位とチーム内の5番前後の選手がしっかりと結果を出した。今後に向けて明るい材料になったうえ、今回走っていない稲塚を始め、山本羅生(4年)、中西洸貴(4年)、永井駿(3年)ら有力な選手がまだ多い。

【次ページ】 名将の雰囲気が漂う

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