今季、木浪聖也が精一杯頑張った「遊撃」のポジションに、その後釜と同時に走れる選手が欲しい。2位・浦田俊輔（遊撃手・九州産業大）と、6位・庄子雄大（遊撃手・神奈川大）は、そんな願いを込めての指名になった。

　スピード抜群のフィールディングとベースランニング、小柄でも、油断すると「バチーン！」とライナー性の長打を食らわせる。浦田遊撃手は野球の才能満載の即戦力候補。正面の内野ゴロでも、一塁駆け抜け間一髪の持ち込める快足は、スピードだけなら浦田遊撃手以上かもしれない庄子遊撃手。横浜高仕込みの高い野球理解度も、貴重な戦力になる。

　頼りになる左腕のリリーフが桐敷拓馬だけ（失礼！）の投手陣にうってつけのパワーサウスポー・荘司宏太（投手・セガサミー）。見た感じ、ヤクルト・田口麗斗。勝負度胸満点の真っ向勝負で145キロ前後の速球とチェンジアップ。猛烈な腕の振りのわりに、ストライク先行の投球が頼りになる。

坂本＆梅野の両捕手に次ぐ「社会人トップマスク」

　社会人トップマスクの城野達哉（捕手・西濃運輸）が4位の最後の方まで、よく残っていた。これも、ドラフトの「あや」というものだろう。

　昨春のベーブルース杯での5打席連続本塁打という快挙のせいで、打力が先行した捕手のように思われがちだが、この捕手のインサイドアウトとスローイング能力をみくびってはいけない。守備力が優先する捕手というポジションでもOKのディフェンス能力の持ち主だ。坂本誠志郎、梅野隆太郎……両捕手の「次」がちょっと心配なチーム構成に、頼もしいワンピースが加わった。

　甲子園育ちの高校球児から、今年は坂井遼（投手・関東一高）が選ばれた。腕の振りは変わらずに、20キロの球速帯で速球を投げ分けられるピッチングセンスに、地面に突き刺さるようなきびしい動きのタテのスライダー。ちょいオレさまっぽい堂々のマウンドさばきも、最近では貴重な存在だ。

　昨年は、2位でいきなり、独立リーグの選手を指名（四国IL徳島・椎葉剛投手）して驚かせてくれた阪神が、今年は支配下ドラフトの締めで、同じ「徳島」の後輩の名前を挙げた。

　福岡大から四国ILに進んで2年目の寺岡丈翔（外野手・四国IL徳島）は、今季、バッティングの実戦力が急成長。打率.333、65打点、9本塁打、25盗塁。本塁打と打点でタイトルを獲得した。

　試しに投げたマウンドからも150キロ台をマーク。打てて、守れて、走れて、投げられて。四拍子ぞろいの潜在能力の塊として、未知の魅力にあふれる。

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