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“ご意見番”武蔵丸が惜別メッセージ「28歳で現役引退の貴景勝、本当にもったいないよ」最近の関取には“苦言”「付け人の扱い方に物言い!」
posted2024/09/27 17:02
text by
武蔵川光偉Musashigawa Mitsuhide
photograph by
JIJI PRESS
大の里が大関昇進。おめでとう! 恵まれた体を最大限に使えば勝てるんだよ。今場所もそうだったけれど、先場所あたりから叩いたり引いたりの相撲がなくなって、前に出ているのが良かったなぁ。今はまだ細かい技を覚えるのは置いておいて。あの体なら当たって押して差す……まずはそれで充分なんだ。しかし、まだちょんまげ頭の、今年はじめに幕内になったお相撲さんに2回の優勝をさせて大関昇進までさせてしまうって、周りがだらしないんだよ。先輩力士らが「悔しい!」と思わないとダメだよな。15歳から入門して修業して来た兄弟子たちが、「何くそ!」と思わないと。簡単に上げさせちゃダメなんだよね。壁にならなきゃ。もちろん大の里は逸材だけれど、先輩力士たちがもっと発奮しないといけないんだよ。
14日目に大の里の優勝が決まり、千秋楽の阿炎戦では黒星を喫した。阿炎は先輩の意地を見せたよね。大の里は阿炎の動きに付いていけず、阿炎の突き押し一発目で上体が浮いてしまっていた。でも、まだまだこれから細かいところを覚えていけばいいからね。あえて言えば、立ち合いで押された時、上体が反ってしまう癖があるな。12日目の若隆景戦では、もちろん若隆景の相撲が素晴らしかったんだけど、立ち合いで当たって上体が反ってしまい、若隆景に中に入られちゃった。途中から腹を出して行ったんだけど、もうその時点では遅かったんだ。今後は細かいところを学びつつ「逃げないように」というところが課題かな。
今場所は、ついこのあいだまで活躍してくれていた押し相撲のお相撲さんたちが調子が悪かったんだ。隆の勝は11敗、大栄翔はやっと勝ち越し。平戸海も負け越しかぁ。夏の疲れが出るというのか、押し相撲のお相撲さんたちは、ひとたび波に乗れないと、その場所がずっとダメになっちゃうんだよな。
貴景勝の引退「本当にもったいない…」
押し相撲に徹していた元大関の貴景勝が潔く引退したね。お疲れ様。でも、本当にもったいないと思う。