それも優勝の行方が左右されるような、大事な一番でさ。お相撲さんはみんな命を懸けてやってるんだから、審判はしっかりしてくれよ。自分たちだって現役時代に必死で相撲取っていたんだから、わかるはずなのに。琴櫻戦での翔猿なんてよっぽど悔しかったんだろうな。翌日は豊昇龍に勝ったけど、この時のインタビューでポロッと言ってたもんな。

3日目、琴桜（左）が翔猿を押し出しで下した一番。微妙なタイミングだったが、物言いもつかなかった　©JIJI PRESS

　あとね、これ、一言いっておきたいの。最近の関取の、付け人の扱い方に頭に来てるんだよ。「ピクニックに行くのかよ？」ってくらい大荷物を持たせていたり、ある関取は場所帰りに、付け人に扇風機（ハンディファン）を持たせていたのね。横綱大関は、支度部屋で風呂上りにうちわで扇がせたりってことはよくあるけど、そこらへんの関取が付け人にやらせることじゃないよ。扇風機を持たせてるシーンはたまたまSNSで流れて来て目にしたんだけど、心が痛かった……。付け人の使い方を間違えている。「相撲界ってこんな世界なんだ」って勘違いされちゃうよ？　付け人って、師匠から預ってる子なんだ。傍で勉強させて、「僕も関取になりたい」って付け人に夢を見させてあげるのが、関取の役目なんだぞ。

　おっと。せっかく面白い場所だったのに、最後は“物言い”で終わっちゃったな（笑）。

（構成＝佐藤祥子）