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濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「イメチェンして女性ファンが増えた」“ギャルになった”天咲光由(22歳)は筋肉も成長中…NEO GENESISで目指すベルト《特別グラビアインタビュー》
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byEssei Hara
posted2024/09/28 11:04
新ユニット『NEO GENESIS』のメンバーとして、フューチャー・オブ・スターダムのベルトを目指す天咲光由
「早くみんなに追いつきたい。対等に見られたい」
過去に5番勝負などでトップファイターと対戦してきたからか、初出場初優勝といった大きな野望を抱くことはなかった。といって、上位陣にはまだ勝てないと決めつけているわけでもない。リーグ戦を終えての課題について聞くと、天咲はこう答えた。
「キッドさんとの試合が引き分けで勝ち切れなかったことです」
キッドに勝つことは、リーグ戦の中での大きな目標だった。デビュー2戦目で闘った相手であり、QQを失った自分を誘ってくれたのもキッド。新ユニット入り直前の一騎打ちでは「脚をボロボロにされて負けた」。その悔しさを晴らしたかった。
「NEO GENESISのみんなは同世代だけど、キャリアは違うんです。私だけ浅い」
キッドは10代前半でデビュー。AZMは9歳でプロテストに合格した。星来は16歳で長与千種率いるマーベラスに入門している。すずは中学卒業後すぐに実家を出てアイスリボンの練習生になった。
天咲も高校を出て上京し、20歳目前でデビューだから決して遅いほうではないのだが、とにかく周りが早熟の才能ばかりなのだ。天咲以外のNEO GENESISメンバーは、他団体も含め何かしらのタイトル獲得歴がある。
「早くみんなに追いつきたいです。対等に見られたい」
キッドの思い「全員で光由を引き上げていきたい」
QQは家族のようなユニットだった。天咲は末っ子。自分のイメージをファンが決めてくれるようなところもあっただろう。だがNEO GENESISのメンバーは“同級生”。キャリアが違うといっても当然、ライバル意識がある。キッドたちの実力は分かっていても、ここでは“末っ子”ではいられない。このあたりのレスラー心理は、実際に聞いてみなければ分からないところだ。
「だからキッドさんとリーグ戦で引き分けても“今回は負けなかった”という嬉しさはなかったです。それでは満足できない」
シングルのリーグ戦が終わって、ユニットとしての結果も出したい。ゴッデス(タッグ)王座、アーティスト(6人タッグ)王座も狙いたいと天咲。ユニットの中で彼女にしかできないこともある。新人王座フューチャー・オブ・スターダム獲得だ。規定により保持期限はキャリア3年。キッドも期待しているという。
「光由にはフューチャーのベルトを獲ってほしい。それも絶対王者の吏南に勝ってチャンピオンになれたら最高でしょう。それだけの力もついてきているはず。これまではAZMについて頑張ってきたけど、NEO GENESISでは全員で光由を引き上げていきたい。ユニットが変わることで頑張る気持ちが強くなるってこともあるはず。それも含めて光由を誘ったので。QQでは“お姉さん”たちに囲まれてたけど、今回は同世代の集団。そこで生まれる闘争心もあると思う」
天咲にとって、フューチャー王座は「デビューして初めて目指したベルト」だ。思い入れが強いし「このベルトを巻くことで、悔いなく次の段階に行けると思ってます」。