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「これからはもう無敵?」男子バレーの“必殺仕事人”宮浦健人が福澤達哉に語った「100%の準備」…意識を変えた“福澤さんのひと言”とは?
text by
藤森三奈(Number編集部)Mina Fujimori
photograph byKaoru Watanabe / JMPA
posted2024/09/17 17:05
パリ五輪でも活躍した男子バレーの“必殺仕事人”の宮浦健人に“元日本代表の名解説者”福澤達哉氏がインタビュー
「必殺仕事人」の準備する力
福澤 オリンピックでも途中から入るシーンが多かったけど、「必殺仕事人」という言葉通り、いつ入っても活躍してくれる安心感があります。ドイツ戦の第4セット。同点に追いついてからマッチポイントをとられたものの、宮浦選手のスパイクでデュースに。そのあと、宮浦選手のサービスエースで28-27と逆転。ここで勝ったなと私は思ったけど……。チームが跳ね返されそうなときにコートに入る感情や意識していたことは?
宮浦 自分は100%の準備はしていました。ただ、やるしかなかったのでやってやろうという気持ちでした。ああいう状況でも、自分がいつもやってきたこと、トスをしっかりあげる、一番高い打点で打つというのを心がけました。
福澤 テレビではあまりベンチは映らないけど、会場で見ていると、いつもずっと準備していますよね。
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宮浦 そうですね。それは結果を出すためにやっています。
福澤 ただ、大事な初戦を落としてしまった。2試合目まではどう過ごしていたんですか。
宮浦 プレータイムはそんなに長くなかったので、自主練習に行って、スパイクを打つなどして、すばやく次に切り替えられました。リカバリーもしっかりして、いつもと変わらなく過ごしました。
アルゼンチン戦「やるしかないよね」
福澤 次のアルゼンチン戦は、絶対に落とせないという、ドイツ戦よりもさらにプレッシャーがかかっていたと思いますが、ミーティングではどんな話がされたんですか。
宮浦 ドイツ戦で負けはしたものの、フルセットで勝ち点1を取れたこと、アルゼンチンに勝てば、トーナメント進出が見えてくるということはミーティングでも話されました。
それと、僕たちはOQT(オリンピック予選)でエジプトに負けるという崖っぷちを経験していたので、それに比べたらなんてことないよね、ここからやるしかないよね、という話にもなり、前向きな雰囲気でした。
福澤 アルゼンチンは前大会銅メダルということで、コンテなどベテラン勢が意地のプレーを見せてきました。4セット目、宮浦選手も入りましたが、押されているなという空気は感じました?
宮浦 正直、あのシチュエーションで、いつも通りワンポイントのブロックだけかなと思ったのですが、(フィリップ・)ブラン監督が「残れ」と言ったんです。想定外で、「OK」と言うしかありませんでした。やるしかなかったので、パッと切り替えました。
アメリカにも勝ちにいく気持ちで
福澤 アルゼンチン戦はチーム全員で勝ち取った印象です。次の相手のアメリカは、私としては今大会の金メダル候補でした。そのアメリカ相手に1セット取ったら、決勝トーナメントにいけるという状況でしたが、その情報は選手には共有されていましたか。
宮浦 スタッフから聞くというより、みんなSNSなどで知っていました。
福澤 1セット取ったら、と思って戦うのも危険ですよね。
宮浦 そうですね。石川祐希キャプテンが試合直前に「勝ちにいこう」と言っていましたし、そういう気持ちで臨みました。
【続きは動画で見る】アメリカ戦、そしてベスト4をかけたイタリア戦についてはぜひNumberPREMIERの人気動画シリーズNumber Volleyball Night 「宮浦健人×福澤達哉 その瞬間に100%を出すために」でご覧ください。宮浦選手のオポジットとしてのこだわり、これから目指すこと、また視聴者からの質問にも答えています。髙橋藍選手の”告白“に対する答えも⁉