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オリンピックへの道BACK NUMBER
「もう一回五輪リザーブしてもいいな(笑)」卓球・木原美悠の献身はどこから来る? 本人が語った「選手として五輪に出たいのが一番ですけど」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/09/17 17:02
パリ五輪リザーブの経験は彼女をどう変えたのか。本人が振り返った
「メダルを獲ったときは、自分も思わず泣いちゃいました」
早田の3位決定戦が行われた8月3日は、木原の20歳の誕生日だった。早田は木原から「プレゼントにひなちゃんのメダルが見たい」と励まされたことにも感謝していた。
「そんなに深く考えて言ったわけではなかったんです(笑)」
だが、そんな木原が団体戦でも心がけたのが雰囲気づくりだった。
「普段の大会とメンバーは変わらないので、いつも通りが一番だなと思って。少しでも選手に嫌な空気を出させたくない、みんなが楽しくできるように努めていました」
4人でメダルをかけて写真を
団体戦で銀メダルを獲得したあと、4人は記念写真を撮った。早田は自身のシングルスの銅メダルをかけ、木原が団体の銀メダルをかけていた。
「早田選手が、自分を含めて4人で写真を撮りたいと考えてくれて、個人戦のメダルを持ってきてくれて。4人でメダルをかけて表彰台で写真撮らせてもらって、ありがたい気持ちがいっぱいありました。早田選手がめっちゃ考えてくれてたんだなと思いました」
互いの思いやりによって生まれた光景がそこにあった。
「楽しかったです」と振り返るリザーブの役割は、団体戦終了とともに終わりを告げる。
「大会が終わった瞬間、部屋に帰ったらダラーンとなりました。一気に疲れが来ました」
ただ楽しかっただけではない、責任感とともに過ごしていたことの証左だろう。