核心にシュートを!BACK NUMBER
「うぁぁーーー行くぞ!!」レーザー妨害や君が代ブーイングより…バーレーン戦取材記者の心が燃えた“陰のMVP”長友佑都、鈴木彩艶らの振る舞いとは
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byREUTERS/AFLO
posted2024/09/11 18:25
レーザーポインター妨害に国歌斉唱時のブーイング。中東アウェイの洗礼にも日本代表の熱量は非常に高かった
そうした行動が、直接的にチームの勝利をたぐり寄せたわけではない。ただ、そういう選手がいるチームには、サッカーの勝負に必要な〈熱量〉が備わっているという事実を見落としてはならない。
果たして、日本は上田のPKで前半37分に先制をしてハーフタイムを迎えると、後半に4得点。5-0で試合を終えた――。
惨敗後、南野と三笘に近づいたバーレーン陣営は…
日本サポーターへの挨拶を終えた日本代表の選手たちが、ピッチとロッカールームとをつなぐスペースに戻ってきた。
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そこで足を止めた日本代表選手が2人いた。バーレーン代表のスタッフからユニフォームをほしいと伝えられた南野と、バーレーン代表の13番で出場機会のなかったモーデス・アテデからユニフォーム交換を求められた三笘薫だった。2人は、快くそれに応じた。
とはいえ、バーレーン代表がホームで0-5という屈辱を味わった直後のことだ。あのシーンはバーレーンの熱量の欠如を表していたとも言える。
試合後、三笘に「試合前から対戦相手が日本をリスペクトしすぎてくれているのではないですか?」と尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「試合前からそういうことは感じないですけど、試合後だったり(試合中に)2、3点取った後の雰囲気というのは、やはりちょっと諦めるところが出てきていたので。そこはリスペクトが強いからなのかもしれないですね」
なお、試合が終わって30分ほど経ってから、両チームの選手の中で早々に取材エリアに出てきたアテデに「三笘のユニフォームをもらっていたでしょ?」と声をかけると、「Yeah!」という言葉とともに、目配せされた。
〈熱量〉をはき違えたバーレーンファンと冷静な彩艶
この日のバーレーンサイドで〈熱量らしきもの〉を見せていたのは、その意味をはき違えた人たちだけだった。国歌斉唱のタイミングでブーイングをし、上田のPKのタイミングでレーザーポインターを当てて妨害する一部の愚か者がいたことは、事実としてここに記しておこう。
ただ、そのようなマナー違反を堂々とやっていた国のメディアからの質問に対しても、アジアの盟主・日本代表の一員として、毅然とした態度で答えていた選手がいる。日本のゴールを守る鈴木彩艶だ。