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日本代表“5-0の完勝”はナゼ? 2ゴール・三戸舜介に離脱した半田陸が贈った“ある言葉”「TV中継には映らなかった」パラグアイ戦舞台ウラ
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2024/07/25 17:42
現地7月24日のパラグアイ戦で5-0の快勝を収めた日本代表
選手たちが明かした「直前に離脱したDF半田陸への思い」
日本がずっと苦手としてきた南米勢のパラグアイを相手に、望外レベルとも言える5ゴールを叩き込んだ原動力は何だったのだろうか。
メンバー全員の胸には共通のモチベーションがあった。初戦の直前に負傷で離脱したDF半田陸への思いだ。
半田はパラグアイ戦2日前の7月22日の非公開練習で行なった紅白戦中に負傷。昨年骨折していた左腓骨を再度痛め、パラグアイ戦前日の23日にメンバーリストから外れた。
半田は10代半ばからこの世代の中心選手として年代別代表に招集され、同学年の久保建英や1つ下の鈴木彩艶に次ぐ若さで日本代表にも選出されたことがあるエリート選手。4、5月にパリ五輪アジア最終予選を兼ねて行なわれたU23アジアカップ(カタール)では胃腸炎が長引いて出番は限られていたが、帰国後はその悔しさをJ1リーグの戦いにぶつけ、所属のガンバ大阪を上位へと押し上げ、パリ五輪代表入りを果たしていた。
殊勲の三戸はこう語る。
「個人としては半田選手とはすごく仲が良くて、オフでも一緒にいたりもするんです。02世代(2002年生まれメンバーたちの年代別代表活動)の時からずっと一緒にやっている選手なので、僕自身もすごく悔しいし、本当に……かわいそうだなと思いました。陸の分までみんなでやろうと思いましたし、自分も陸のためにも、という気持ちがすごくありました」
「悔しい気持ちはあるけど…」半田が三戸にかけていた言葉
三戸と半田はともに2002年生まれ。学年は1月生まれの半田が一つ上だが、年代別代表では中学生の頃から一緒に活動してきた間柄だ。
「中学の時からずっと一緒で、ずっと仲がいい。自分がああいう立場になったら本当に悔しいと思います」
半田からは「悔しい気持ちはあるけど、メダルを獲ってほしい」と言われているという。三戸は、「本当にメダルを獲りたいという気持ちです」と言葉に力を込めた。
三戸だけではない。細谷は「みんなも陸のためにというのもある。来れなかった人たちの分まで優勝して、結果で見せていけたら」と言い、大畑も「陸のために、と全員が思っている」と話していた。気持ちはがっちりと一枚岩になっている。