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バスケ代表・川真田紘也(26歳)落選の衝撃…“愛されマイキー”代表漏れの厳しいワケは? 八村塁との絡みは「めっっちゃ、勇気がいりました」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2024/07/09 18:00
パリ五輪のバスケ日本代表12人から漏れた川真田。チームのムードメーカーでもあっただけに、ファンも肩を落とした
昨年の沖縄W杯で出場時間こそ短かったものの、吉井裕鷹や原修太らと「俺らは雑草魂(がある)」と励まし合い、練習では奮起して、メディアの取材には協力し、試合になればいち早くロッカーに戻って、スタッフから他の選手まで労ってきた。コートを離れても、最年長の比江島のメンター(助言者)として話を聞き、帰化選手であるジョシュ・ホーキンソンとも積極的にコミュニケーションを取ってきた。
NBA選手の八村とも積極的にコミュニケーション
今回のテストマッチでもそうだ。
NBA選手の八村塁(レイカーズ)にとって、共に戦った経験のある選手はすでに比江島、富樫勇樹、渡邊雄太、馬場雄大の4人しか残っていなかった。そんな状況を受け、積極的にコミュニケーションを取りに行ったのが川真田だった。
ベンチの端の方に座っていた八村が、チームメイトの活躍を見て、クールに拍手をしているときでさえ、ひるまなかった。
「ほら、立って手を叩きましょう!」
川真田は、あのシーンについて笑いを交えながらこう振り返る。
「ちょっと絡みに行こうとしてそうしたんですけど、笑ってくれていたので『あぁ、これでええんや』と。(絡みに行くのは)めっっちゃ、勇気がいりました、あまりに凄すぎて(笑)。塁さんは多分、僕の事前情報なんてホンマに知らないだろうと思っているので。本当に、一歩、一歩、踏み出しているという感じです」
ただ、勇気を出して声をかけに行ったのはミーハー心からでも、バスケ選手の憧れからでもなかった。そういうアクションこそが必要だと確信していたからだった。
「負けるときにはやはり僕らも沈んでいる時間帯があるので。(渡邊)雄太さんからは『そういうところで、もっと盛り上げていこう』と言われますし。勝っていようが負けていようが、もっともっと盛り上げていくのが大事かなと思っているので」
そんな彼が、12人のメンバーから外れた。
同じポジションでは、昨年のW杯では直前のケガのために外れた渡邉飛勇が、今回はメンバーに入った。この数週間の間に、ホーバスHCは渡邉飛勇と川真田のどちらをメンバー入りさせるかについて悩んでいることを隠そうともしなかった。