「川真田と飛勇とはプレースタイルが全然違う。川真田みたいなディフェンダーか、飛勇のようなディフェンダーか。今はコンペティションがあるんですよ。すごくサバイバルかなと思います」

　ただ、川真田がメンバーに入らなかった理由はおそらく2つある。

対戦相手国との相性も理由…？

　7月5日の韓国戦のあと「川真田は悪くはなかったけど」と念を押しながらもホーバスHCが「ジョシュがベンチに下がったときに、相手の点数が上がった」と語ったように、ゴール下の大黒柱のホーキンソンを休ませている時間帯の得点傾向を見て判断した部分はあるだろう。

　もう1つは、本大会での対戦相手のことも考慮したはずだ。2戦目で対戦するフランスには216cmのルディ・ゴベア、224cmのビクター・ウェンバンヤマなど身長の高い選手がいるため、強さの川真田よりも高さの渡邉飛勇をとったのかもしれない。

韓国とのテストマッチでの川真田　©JIJI PRESS

　詳しくは、7月10日の夕方に行なわれる記者会見で、ホーバスHCの口から語られると見られる。パリ五輪前にヨーロッパに渡ってから練習試合を2試合予定していることもあり、ホーバスHCは以前から登録メンバーの12人以外に2人ほど多く連れて行きたいという意向を示していた。そのため、一部報道でも出たように、本大会の出場登録選手に入らないサポートメンバーのような形でヨーロッパに帯同する可能性はある。

　またサッカーのように登録メンバーにケガや体調不良が出た場合のみ、本大会開幕前までにメンバーを入れ替える可能性もある。この種のルールは事前に変わることもあるため、10日の記者会見の場ではJBA（日本バスケットボール協会）から、FIBA（国際バスケットボール連盟）より伝えられたルールについてのアナウンスがあるだろう。

　いずれにしても川真田がメンバーに選ばれなかった事実はゆるがない。そして、彼が果たしてきた役割はあまりに大きい。

「川真田がいれば……」と後悔する結果になるのか、「アイツのためにも……」と奮起する結果になるのか。これまで日本代表が彼のような存在をどのように考えてきたのか、その真価が問われることになる。