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宇野昌磨、“現役最後の1日”を語る「朝ごはんは…食べたと思います」演技を終えた瞬間の“笑顔の理由”とは?「あの表情を僕はできたんだな」

posted2024/07/05 18:00

 
宇野昌磨、“現役最後の1日”を語る「朝ごはんは…食べたと思います」演技を終えた瞬間の“笑顔の理由”とは?「あの表情を僕はできたんだな」 <Number Web> photograph by Tomohiko Imai

現役最後の試合となったフィギュアスケート世界選手権の1日を振り返った宇野昌磨

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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Tomohiko Imai

 先シーズン限りで引退を表明した宇野昌磨さんが、NumberYouTubeのアスリートインタビューシリーズ「CONNECTORS」で、現役最後の試合となった世界選手権の1日を詳細に振り返った。

現役最後の1日のスケジュール

 宇野昌磨が、『これが現役最後の試合』と決めて挑んだ世界選手権(3月20−24日、モントリオール)。人生の節目となる1日に、何を思い、どんな考えのもとに一つ一つの選択肢を選んでいったのか。彼自身の口から語られる、運命の1日。

 2024年3月23日、ショートプログラムを首位発進で折り返した宇野は、フリースケーティングの朝を迎えた。起床したのは、朝の公式練習にギリギリ間に合う時間である。

「僕はもともと寝るのが遅く、起きるのが遅いです。出発ギリギリまで寝ていたくて、靴下を履いたまま寝たこともあるくらい(笑)。朝ご飯も食べる時もあれば、食べない時もあります。この日はどうだったかな。お腹が空いていれば食べたと思います」

 最後の晩餐ならぬ、最後の朝ごはん。食べたかどうか思い出せないくらい、いつも通りの朝だった。

 公式練習では、調子が良くても悪くても気にしないのが宇野流。練習から本番までは時間があくためだ。この日も、練習は12時15分から、本番は21時28分から、と9時間以上の間があいていた。

「こんなにあいていたら、調子を気にしても意味ないです。しかも公式練習のあと寝ることもあるので、調子は当てにしません。とりあえず昼間に体を動かしておけば、夜はこれ以上動くでしょう、という心構えのために行くだけです」

最後の試合前もゲーム

 そして「子どものときは……」と懐かしそうに振り返った。

「昔は、練習から本番までが長いので、その自由時間が楽しみで試合に行っていました。周りの方々が『試合前だから緊張もするし、本人の好きなことをさせてあげよう』と考えるので、練習から本番までの8時間ずっとゲームをやっていても怒られなかった、なんてこともありました」

 実際のところ、最後の試合前も、ゲームをしていた。

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