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「入り口は私。だって可愛いから(笑)」人気女子レスラーの野望…「燃え尽きかけた」中野たむが“2連敗の屈辱”から見つけた強くなる理由
posted2024/06/02 17:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Essei Hara
スターダムの中野たむが、屈辱の中で新たな物語を始めようとしている。
現在、ビッグマッチで2連敗中。4月27日の横浜BUNTAI大会では、スターダム初参戦のアジャコングにタッグマッチでフォールを奪われた。5月18日の横浜武道館大会はウィロー・ナイチンゲールとタイトルマッチ。AEW・TBS王座に挑み、敗北を喫した。
アメリカ第2の団体であるAEWのベルトに挑もうと思ったのは「スターダムを世界一にするため」だった。
「2月に(負傷による長期欠場から)復帰して、初めて負けたのがアジャ。シンプルにめちゃくちゃ悔しかったです。復帰してから後輩を育てること、ユニットのコズエン(コズミック・エンジェルズ)を盛り上げることを意識してやってきたけど、やっぱり自分のために闘わなきゃダメだなって」
「入口になるとしたら私。だって可愛いから(笑)」
そんな時にウィローが挑戦者を求めていた。誰でもいいと。しかもウィローはメルセデス・モネとの対戦も控えているという。
「モネには噛ませ犬にされたことがあるので。私がチャンピオンになってモネとやってやろうと」
昨年1月、たむは新日本プロレスの東京ドーム大会でIWGP女子王座に挑戦し、短時間で敗れている。試合後のリングに登場し、タイトル戦の余韻を消し去ったのが元WWEトップ選手のモネ。たむは自分の負けがモネ登場の“ダシ”のようにされたと感じたのだ。
ウィローに勝ってモネと闘う。それがたむの目論見だった。といって、いわゆる“海外進出”を狙っていたわけではない。
「私が世界に出るというより、スターダムを世界に出したいので。スターダムを世界一の団体にしたいんです。じゃあ、そのために何をするか。自分のために闘って、私が世界一になればいいんだって。世界一の選手である中野たむがいるスターダムが世界一。分かりやすいですよね。世界の人たちがスターダムを見る入口になるとしたら私だとも思ってます。だって可愛いから(笑)」