ボクシングPRESSBACK NUMBER

本当にネリは井上尚弥の“刺客”なのか? 米記者が断言する“悪童”のリアルな実力「尻込みした挑戦者とは一線を画す」「ドネアほど深みない」 

text by

杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2024/05/02 17:03

本当にネリは井上尚弥の“刺客”なのか? 米記者が断言する“悪童”のリアルな実力「尻込みした挑戦者とは一線を画す」「ドネアほど深みない」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥に挑むルイス・ネリ

「ネリは才能のあるボクサーであることは間違いない。井上が対戦してきた中でも最高級に才能に恵まれた選手だろう。身体能力、スピードがあり、多くのアメリカ人選手同様、 相手の距離でまずパンチを出させた上で自身のパンチを打ち込むいわゆる“プル・カウンター”の使い手でもある。軽量級ではパンチ力も強打者と呼べるレベルだ。また、試合開始直後から尻込みしていた他の何人かの井上の対戦相手とは一線を画し、横暴なまでの自信を持って“モンスター”に挑んでくるはずだ」

 Fighthype.comのショーン・ジッテル記者がそう述べている通り、ネリを形容する際に頻繁に使われるのが“talented(才能がある)”という言葉だ。

 軽量級選手としては非常にダイナミックであり、中間距離で振り回すコンビネーションの連打は自由奔放に飛翔する。平均以上のバネがあり、ジッテル記者の指摘通り、カウンターも打てる。試合運びが上手なタイプではないが、ボクサーとしてナチュラルな能力を持っていることは間違いない。

ジッテル記者が付け加えたこと

ADVERTISEMENT

 ただ……こうして天性のタレントを備えているのを認めた上で、ジッテル記者がこう付け加えていたことは記しておきたい。

「少なくともこれまでのところ、ネリはその才能ほどの実績をリング上で残せていないボクサーだと思う」

【次ページ】 「フィゲロアに敗れる前のネリなら…」

BACK 1 2 3 4 NEXT
#井上尚弥
#ルイス・ネリ

ボクシングの前後の記事

ページトップ