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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
伊東純也は週刊誌報道後も好調だが…英国人記者が知る“女性問題ケース”その後「フランスなら問題ない。イングランドでは簡単じゃない」
text by
イアン・ホーリーマンIan Holyman
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/04/20 17:01
日本代表でも長年にわたって主力としてプレーしている伊東純也。今回の週刊誌報道を受けての対応は、フランスからの視点でどう見えるのか
ベン・ヤーデルは90万ユーロの保釈金で出所した3日後、敵地でのクレルモン・フットとの開幕戦にキャプテンマークを巻いて出場し、2ゴールを奪って4-2の勝利に寄与。直後にアディ・ヒュッター監督は、主将について次のように話した。
「彼は見事なリアクションを見せた。私の仕事は、最高の選手をピッチに送り出すことであり、ウィサムもそのうちの一人だ」
ドーバー海峡を隔てただけで扱われ方が大きく異なる
パリ・サンジェルマンに在籍するモロッコ代表SBアシュラフ・ハキミも同様だ。およそ1年前にフランス国内で女性に告発され、検察から起訴されているが、所属クラブは選手側についている。
「このクラブは、容疑を完全に否定し、司法制度にすべてを委ねている当該選手をサポートする。PSGはピッチの内外で敬意を推進する組織である」
ハキミは昨年12月、捜査の一環で告発した女性と対面するため、その日のトレーニングを休んだが、チームでは完全なるレギュラーのままだ。
ベン・ヤーデルもハキミも検察から起訴されたが、メンディのように所属クラブから干されることはなかった。このように同じ欧州でも、ドーバー海峡を隔てただけで、物事の捉えられ方と扱われ方が大きく異なるケースがある。
メイソン・グリーンウッドの件も、国が違えば、違った経緯を辿っていたかもしれない。マンチェスター・ユナイテッドの下部組織が送り出す最新の傑作と謳われ、10代の頃から両足で鋭いシュートを四隅に蹴り込んでいた早熟の天才は、2022年1月を最後にイングランドのピッチから姿を消した。
強姦未遂などの容疑は、当時の恋人がSNSに掲載した写真が発端となったものだったが、クラブはすぐにグリーンウッドを出場停止とし、マンチェスターの警察は逮捕に踏み切った。20歳だった彼が復帰したのは、1年半以上が経った後、今季から期限付きで加入しているスペインのヘタフェでのことだった。昨年2月に捜査が打ち切られ、今季開幕前に生まれ育った街とクラブをひっそりと後にしたのだ。初挑戦のラ・リーガでも、ここまで26試合に出場して6得点5アシストを記録している。
女性の声も、聞き入れられるべきなのです
メンディもグリーンウッドも、イングランドでは捜査中に活動を禁じられ、容疑が晴れた後は他国でプレーを続けている。
「ある種の人々は、退場を強いられて然るべきでしょう」と現地メディアにコメントを寄せたのは、匿名希望の女性活動家だ。