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巨人・阿部慎之助監督「完敗でございます」も開幕シリーズで阪神に勝ち越し…浅野翔吾の起用にみる阿部野球「1試合を勝つためだけにやってない」 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byHideki Sugiyama

posted2024/04/02 17:50

巨人・阿部慎之助監督「完敗でございます」も開幕シリーズで阪神に勝ち越し…浅野翔吾の起用にみる阿部野球「1試合を勝つためだけにやってない」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

阪神との開幕シリーズを2勝1敗と勝ち越した巨人・阿部慎之助監督

「二岡(智宏ヘッド)コーチから『人数の関係でベンチには入れない』と言われました」

 本人がこう語るように1、2戦は、ベンチメンバー26人から外れて、いわゆる“上がり”の扱いとなった。

「ウエイトトレーニングをしたりケージでバッティング練習をしたりしながら、試合を見ていました」

 こう語る本人だが、確かにこの開幕の東京ドームにいたことで感じたこともあったという。

「開幕戦の独特のムードというか、試合前の練習からそういう雰囲気を感じられたのは自分にとって勉強になりました。だから打席でもしっかりとバットを振れたと思います」

 連投した西舘が第3戦でベンチを外れて、代わりにベンチ入り。そして回ってきた出番は7回だった。

阿部流の“英才教育”

 佐々木の代打で打席に立つと、阪神の左腕・桐敷拓馬投手の147kmのツーシームに中飛に倒れたが、阿部監督はこの起用をこう説明した。

「今日はせっかく浅野を入れたんで、使ってあげたいなと思っていたんでね」

 1戦、2戦とベンチメンバーを外れるのであれば、二軍で試合に出した方が本人のためになるのではないか。そういう考えもあるかもしれない。ただ、将来の主軸になる浅野には、開幕のこの独特な雰囲気を少しでも味わわせたい。阿部流の“英才教育”の一環だったと考えるのが妥当だろう。

 今日を勝つためだけではない。

 今シーズンを勝ち切り、そして2年後、3年後のチームへと繋げていく。開幕3連戦の戦いから、そんな阿部流のチーム作りが垣間見えたように思えた。

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