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坂本花織「むしろ4位で良かったかも!」大逆転で世界選手権3連覇…日本人初の偉業“舞台ウラ”「あなたは、今まで、そうして勝ってきた」
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byJIJI RRESS
posted2024/03/27 17:04
日本人初の快挙となるフィギュアスケート世界選手権3連覇を果たした坂本花織
「2017−18年の平昌のシーズンの時、私はシニア1年目でしたが、(報道の)オリンピック選考候補の中に自分の名前がなくて、それがめっちゃ悔しくて練習したんです。2戦目のスケートアメリカで結果が出たとき『自信がつくまで練習をすれば、試合でこんなにも良い結果がでるんだ』というのを肌で感じて。そこから12月の全日本選手権までの1カ月間、死にものぐるいで練習して、五輪代表に選ばれました。
逆に、これくらいで良いかなと中途半端な練習をしたら、そこそこの結果しかでない。それを、何年も繰り返してきました」
練習すれば結果はついてくると分かっていても、モントリオールまでの練習は上手くいっていなかった。原因の1つは、全日本選手権で3連覇をし、目標を達成してしまったこと。2月に出たチャレンジカップ(オランダ)は、ショートで2位になり、薄氷での優勝だった。
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「ショートが2位になった時点で、ずっと勝てるわけじゃないんだな、1つのミスで順位がここまで変わるんだなと思いました」
ギリギリ間に合わせたという感覚
さらに、帰国後にインフルエンザになり、練習を休んだため筋力が低下。ギリギリで間に合わせたという感覚で、モントリオール入りしていたのだ。
迎えたショート本番、3回転ルッツが前のめりになり、着氷が乱れる。僅差で戦うショートとしては痛恨のミスである。演技後、中野園子コーチを振り返ると、思わず苦笑いした。
「ひとことで言えば『練習通り』でした。中野先生が『あかんな~』って表情だったので、『ですよね~』って返しました」
落ち込むことなく、苦笑いで返すのは坂本らしいところ。原因がはっきりしていたからこそ、だ。
「やっぱり練習の時からミスしていたのが、原因です。普段の練習が本当に大事なんだなというのを感じました。それを直さないといけないなというのを、今回改めて感じました」
弱気な練習をしていたことを自戒し、自らに言い聞かせる。
「今日の4位は妥当。もうミスは許されない。1つ1つ集中して最後までやりたいです」
「むしろ4位で良かったかも!」
そして屈託ない笑顔に切り替えると、こう言って会場を後にした。