酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
水原ショック渦中の大谷翔平だが…恒例の“高精度な成績予想”2024年版「MVPトリオのドジャース打線」なら狙える“史上4人目の快挙”とは
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2024/03/22 20:00
波乱の幕開けとなった2024シーズン、大谷翔平はどんな打撃成績を残すか予想した
【エンゼルス】
1番 レンヒーフォ394打数104安打16本塁打51打点6盗塁41四球 打率.264
2番 大谷翔平497打数151安打44本塁打95打点20盗塁91四球 打率.304
3番 トラウト308打数81安打18本塁打44打点2盗塁45四球 打率.263
4番 レンフロー459打数111安打19本塁打56打点0盗塁39四球 打率.242
【ドジャース】
1番 ベッツ584打数179安打39本塁打107打点14盗塁96四球 打率.307
2番 大谷翔平497打数151安打44本塁打95打点20盗塁91四球 打率.304
3番 フリーマン637打数211安打29本塁打102打点23盗塁72四球 打率.331
4番 スミス464打数121安打19本塁打76打点3盗塁63四球 打率.261
大谷を挟む打者の成績が、あまりにも違うことに息をのむ思いだ。「大谷1強」のエンゼルスでは他の打者は平凡な成績だったために、勝負されることが少なかった。敬遠四球(IBB)はMLB2位の「21」にも上っていた。
しかし今年のドジャースは、ベッツ、フリーマンという超強力な「MVP打者」が大谷をサンドイッチしている。他球団の投手はこの3枚の「高い壁」と対峙するゆえ、大谷1人をマークするわけにはいかない。IBBは大幅に減るだろう。
スタットキャストによれば、エンゼルスの至宝、マイク・トラウトのMAXの打球速度は2019年には全選手中10位の116.6MPH(187.6km/h)を記録していた。しかし昨年は39位の114.3MPH(183.9km/h)まで落ちている。今年33歳になり、ピークを過ぎたとみるべきだろう。
成績予想:盗塁はさらにしやすく、打線も活発なので…
さて、大谷翔平の今季成績予想である。
分厚い打線にいることで、IBBは減ることが予想される。しかしだからと言って大谷の選球眼が衰えることはないだろう。
またMLBでは牽制球の制限が厳しくなり、盗塁がしやすい環境がさらに進む。エンゼルスタジアムとドジャースタジアムのパークファクター(本塁打の出やすさ)はそれほどの差がない。しかしリーグが変わることで初見の投手との対戦が増えるのは間違いないところだ。
またドジャースのほうがチーム出塁率が高い(昨年のエンゼルスは.317、ドジャースは.340)ので、塁上に走者を置いて打席に立つ機会が増えるはずなので、打点は増えるだろう。さらに今季は故障なく、DHでフル出場できるものとする。
これらを加味して、2024年の成績を予想すると――このようになる。