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スポーツ百珍BACK NUMBER
ドラマ『不適切にもほどがある!』話題なので大調査「ダルと本田圭佑らは86年生まれ…五輪メダルも爆増!」日本代表が“38年で超進化”
posted2024/03/23 20:01
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
TBS
2024年冬ドラマで超話題作の意識低い系タイムスリップコメディ『不適切にもほどがある!』。この作品では、1986年と2024年で変わった時代背景と、変わらない人間の機微が描かれている。
で、リアルの世界に転じると、スポーツ界は38年間でとんでもなく進化した。
WBCもJリーグもW杯躍進もマスターズ優勝も…
例えば〈試合が延長したせいでドラマがビデオに録れてない!!〉とお父さんがブーブー言われていたプロ野球中継は配信で見られるようになったが……侍ジャパンが日本中を熱狂の渦に巻き込んだWBCなんて、構想すらなかった時代(第1回は2006年)である。
そもそも「世界の強豪と各種競技で渡り合う」なんて、1986年当時にはなかった概念だ。日本人メジャーリーガーのパイオニアとなった野茂英雄がロサンゼルス・ドジャースで旋風を巻き起こすのは、阪神・淡路大震災が起きた1995年――『不適切にもほどがある!』の物語においてもターニングポイントになる年なのだから。
その他の球技もしかりである。
サッカーはW杯出場経験ゼロの冬の時代で、「Jリーグ」「なでしこジャパン」という表現すら存在しない頃。近年のW杯で感動を呼んだラグビーやバスケットボールも世界トップとの差は歴然で、男子バレーボールもその差をつけられ始めていた。そして「AON時代」だったゴルフも、86年マスターズ優勝者のジャック・ニクラウスら世界の壁は厚いのか……という時代だった。
それが今や大谷翔平、久保建英、石川祐希、松山英樹、北口榛花、八村塁に大坂なおみ……と、名前を列記しきれないほど〈様々な背景や経緯を経て、国際舞台の最前線で戦う日本ルーツのアスリート〉は数多く、多様性にあふれている。
86年前後と直近の夏季・冬季五輪のメダル数を比較
1986年当時、日本を代表して「国際舞台で戦う」といえば夏と冬の五輪くらいだった。その五輪でも日本が近年躍進しているのは、1986年に近い84年と88年の各五輪、そして2021年東京五輪、22年北京冬季五輪のメダル獲得数と競技の内訳を見比べればハッキリわかる。