2023年M-1・連続インタビューBACK NUMBER
「M-1負けたけど、結婚してもらえますか?」M-1ラストイヤー…ギリギリで決勝を逃したヘンダーソンの告白「プロポーズを急遽変更した」
posted2024/03/24 11:07
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Shigeki Yamamoto
そのヘンダーソンのNumberWebインタビュー。2人が明かす、号泣の舞台ウラ。【全3回の前編/中編、後編へ】
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「M-1決勝行けたから、結婚してください」
――私の周りの雰囲気もそうだったんですけど、今大会ほど決勝に行けるんじゃないかと言われた年はないんじゃないですか?
中村フー ないです、ないです。周りの人たちも「今年の主役やん」みたいな。「マジでヘンダーソン、風吹いてるで」って。僕らの年になるのかなと思っていました。
子安裕樹 僕、先日結婚させていただいたんですけど、準決勝の日、「M-1決勝行けたから、結婚してください」ってプロポーズするところまで、めちゃくちゃイメトレしてたんです。行ける予感、あったんですよ。
――準々決勝、準決勝と会場も盛り上がっていましたよね。
中村 準決勝のとき、出番が終わって密着カメラの人が駆け寄ってきたら、緊張から解放されたのと、ウケたという安心感で自然と涙があふれちゃったんです。怖かったし、決勝に行けたときのことも考えて感動してもうて。控え室にいたときも、僕らの次の出番で袖からうちらのネタを観ていたくらげの渡辺(翔太)がばーっと近づいてきて。あんましゃべったことないんですけど、「むちゃくちゃおもしろかったです。絶対(決勝に)行けると思います!」みたいな。「ありがとう」って言ったら、結果くらげが行ってたっていう。なんやねんと思いましたけど。でも渡辺だけでなく、けっこうみんなに言ってもらってたんです。だいぶ期待しちゃっていましたね。
――まだ結果が出てない段階で「おもしろかったです!」って言うの、言われた方はその気になってしまうので残酷だなと思うんです。でも準々決勝の数日後、私は別の取材で吉本の大阪本社にうかがったんですけど、たまたまエレベーター内で中村さんと一緒になって。面識もないのに「準々決勝、めちゃめちゃおもしろかったです!」と言ってしまいましたもんね。やっぱり人間、感動するとその思いを本人に伝えたくなってしまう生き物なんでしょうね。
中村 ありがたいんですけど、言われるたびにどんどん期待値は上がっていっちゃいましたね。
子安 だから、名前を呼ばれなかったとき、おいおい、どうすんねん、って。
プロポーズの“プラン変更”
――最後の9組目のエントリー番号が読み上げられた瞬間に自分たちじゃないってわかっていましたよね。