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新人選手が入社3カ月で異例の退社「申し訳ないことをした…」バレー日本代表・山本龍(23歳)はなぜルーマニア移籍を決断したのか 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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posted2024/02/23 11:04

新人選手が入社3カ月で異例の退社「申し訳ないことをした…」バレー日本代表・山本龍(23歳)はなぜルーマニア移籍を決断したのか<Number Web> photograph by Noriko Yonemushi

ルーマニアでの生活を語ったバレーボール男子日本代表・山本龍(23歳)

 昨年は内定選手としてサントリーサンバーズに合流し、1月8日のウルフドッグス名古屋戦でVリーグデビュー。3月12日の大分三好ヴァイセアドラー戦で初めて先発出場した。勝利後のコートインタビューでは、「あまり活躍していないですけど、こうやってVOMをいただけたのは先輩方のおかげ」と謙遜しながら、こう宣言した。

「自分はこれから日本を背負うセッター、そして世界一のセッターになるので、その最初の試合として、こうやって勝って終わってよかったです」

 初のコートインタビューでの大胆宣言に驚いた。

 試合後に話を聞くと、「(言うことを)準備していたわけじゃないんですけど、率直に自分の思いだったので、ここは伝えたいなーと。シンプルに思ったことを伝えました」とまっすぐな答えが返ってきた。

 185cmの身長と身体能力を活かした高い位置でのセットアップやブロック力、サーブ力を兼ね備えた有望セッターは、4月に発表された日本代表の登録メンバーに初めて名を連ねた。

 サントリーでは5月の黒鷲旗でメインのセッターとして起用され準優勝したが、その後バーレーンで開催されたアジアクラブ選手権では大宅真樹が正セッターに戻り、日本のチームとして初の優勝を果たした。

入社3カ月で異例の退社「一番の理由は…」

 帰国後、山本は岩手で合宿中だった日本代表Bに合流。6月末に、山本のサントリー退団が発表された。

 入社3カ月での異例の退社と海外挑戦。その決断の理由を、ルーマニアで改めて聞いた。

「出場機会を求めて、ですね。(大宅)真樹さんがいる中で、もちろん自分が頑張って上に行けば、試合に出られるわけですけど、真樹さんもすごいプレーヤーで、やっぱり2連覇(2020-21、21-22シーズン)されているセッターだし、チームとして築いてきたものがあるじゃないですか。それを時間がない中で覆すというのは……。

 長い目で見れば入れ替わりの時期とかがあると思うんですけど、自分は昨年代表に選ばれて、今年のパリオリンピックが目の先に現れたので、それが一番の理由ですね。もし昨年代表に選ばれていなかったら、こういう決断はなかったと思う。自分のビジョンとしては正直、次の(2028年ロサンゼルス)オリンピックぐらいを目標にしていたので。大学時代にサントリーを選んだ時は、ある程度人生のビジョンを組んで選んだんですけど、それが昨年大きく変わって。自分でもビックリしました」

【次ページ】 「サントリーには申し訳ないことをした」

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