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バスケットボールPRESSBACK NUMBER
《パリ五輪出場決定》は「ホッとしすぎてヤバかった」女子バスケ代表主将・林咲希が激白した最終予選の舞台裏「試合前はみんな顔が強張って…」
posted2024/02/24 11:04
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
(L)AFLO、(R)Kiichi Matsumoto
東京五輪で銀メダルを獲得した女子バスケ日本代表が、今夏のパリ五輪出場を決めた。世界最終予選では、世界ランクで格上のスペイン、カナダに劇的な勝利。グループ1位で出場権を手中に収めた。
そんなチームのキャプテンを務めたのが28歳の林咲希(富士通レッドウェーブ)だ。歴史に名を刻んだ前回五輪から3年――日本の大黒柱は、銀メダリストのプレッシャーとどう向き合ってきたのだろうか?<Number Webインタビュー全2回の第1回/第2回も配信中>
「もう、ホッとしすぎてヤバかったです(笑)」
負けられない試合が続く“ヒリヒリした戦い”を終えたばかりの彼女は緊張から解き放たれ、穏やかな表情を浮かべながら“あの瞬間”を振り返った。
パリ五輪代表を決めた女子バスケ代表キャプテン
女子バスケットボール・パリ五輪世界最終予選。勝てばパリ五輪出場が決まるカナダ戦で日本は世界ランキング5位を相手に勝利し、3大会連続の五輪切符を獲得した。
「このチームで勝てたことが嬉しかった」
ただ、キャプテン林咲希の胸の内には喜び以上に安堵感が広がっていた。
「スペイン戦はやれるという手応えはありましたが、試合前はみんな顔が強張っていて、なんとか頑張って声を出してるなという感じで。かなり緊張しているのが伝わってきました。私自身もこれまでに経験したことがないくらい心臓がバクバクしていました」
初戦の相手は過去5戦全敗の強豪。この試合でプレーヤー・オブ・ザ・ゲームに選ばれた林は3Pシュート6本に成功し20得点と活躍。チームは86-75と快勝し、幸先の良いスタートを切った。
日本での合宿時から「コンディションは良かった」。直前の欧州合宿の練習試合でも「すごくシュートが入っていたので、逆に『本戦大丈夫かな?』と心配になるほど安定していました」と良い状態をキープ。スペイン戦は体の感覚や程よい緊張感がうまく重なり、「勝ちたいという気持ちが前面に出ていた」との言葉通り、大一番で力を発揮した。
「初戦で勝ち切れたことは本当に大きかったですね。個人的には最初に3Pシュート2本を決められたことで、チームにいい流れを持ってこられたのかなと思います。みんなにいいエネルギーとなって伝わって、40分間走り切ることができたのかなと」