大谷はドジャース1年生でありながら、ベッツ、フリーマンといったチームの顔、2人を差し置いて最も若い彼がイベントの大トリを務めた。凝り固まった考えでは大谷でなくベッツやフリーマンであろう。だが、彼らは大谷を選んだ。理由はファンが一番喜ぶものは何か、と考えたからだ。

　そして、デーブ・ロバーツ監督が公開質問によって決定した打順もそうだ。ベッツ、フリーマン、大谷のMVPトリオの打順をファンの声援の大きさで決める。何気ない演出にファンは大喜びだ。結果、声援の大きさで「1番・ベッツ」、「2番・フリーマン」、「3番・大谷」となり、指揮官は笑顔で答えた。

「理にかなっている（笑）」

ファンフェスタでの公開質問で会場を沸かせたロバーツ監督　©JIJI PRESS

ドジャースが整えた最高の準備

　ファンの心はくすぐられた。

　まだ正式発表には至らないが、今季のチーム選手総年俸はドジャースが断トツのトップであろう。世界一奪還を本気で狙う証であり、ファンファーストの精神でチームを盛り立てる演出スタッフの心意気も見える。これこそが、選手のモチベーションを高めるために球団が用意する最高のプリペレーション、準備だ。

　球団として、できる限りの準備は果たした。あとは選手と共にシーズンで最善を尽くすのみ。『ドジャーブルーの魂』に染まり、ファンとともに世界一を目指す大谷、山本の活躍を今から楽しみに待ちたい。