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イチローの「2025年いきなりMLB殿堂入り」確実、ただ満票可能性は…ヤンキースの伝説リベラ&ジーターの明暗に見る“難易度と運”
posted2024/02/06 11:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Naoya Sanuki
今季のMLBの殿堂入り表彰では、記者投票でエイドリアン・ベルトレ、トッド・ヘルトン、ジョー・マウアーの3選手が選ばれた。3人ともに、来年殿堂入り資格を得るイチローと縁のある選手だ。
ベルトレは、歴代18位の通算3166安打、MLB史上33人しか達成していない3000本安打の達成者であり、資格を得た1年目に95.1%の得票率で殿堂入り。なおイチローとは2005年から5シーズンにわたってチームメイトだった。2004年ドジャースで本塁打王になって鳴り物入りでマリナーズに入ったが、成績はパッとせず、怒りっぽいことだけが喧伝された。彼が殿堂入りする大選手になるとは少し意外だった。
トッド・ヘルトンはイチローと同じ1973年生まれ。ロッキーズのフランチャイズプレイヤー。通算2519安打、打率.316は立派な成績だ。ただしロッキーズの本拠地クアーズフィールドは全米一の「ヒッターズパーク」と言われ、ヘルトンの成績も多少割り引いて評価されて、殿堂入りまで6年かかった。得票率は79.7%。
意外だったのは、まだ40歳のジョー・マウアーが1年目で76.1%の得票率で殿堂入りしたことだ。2123安打は歴代224位。首位打者3回はすべて捕手時代のものだが、1年目の殿堂入りは意外だった。2009年イチローと.350を超すハイレベルの首位打者争いを制して.365でタイトルを獲得した。彼もツインズのフランチャイズプレイヤーだった。
イチローは“満票での1年目殿堂入り”なるか?
さて、来年はイチローが殿堂入り資格を得る。1年目での殿堂入りが予想されているが、満票で殿堂入りするかどうかが注目されている。
21世紀以降、記者表彰で、資格を得て1年目で殿堂入りした選手は26人いる。
以下に殿堂入り時の得票率、通算成績、MLBのデータ専門サイト『BaseballReference』が発表している選手の総合指標WAR(W)とその順位(カッコ内)を出す。なお得票率は75%以上で当選が決まる。