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イチローの「2025年いきなりMLB殿堂入り」確実、ただ満票可能性は…ヤンキースの伝説リベラ&ジーターの明暗に見る“難易度と運” 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2024/02/06 11:00

イチローの「2025年いきなりMLB殿堂入り」確実、ただ満票可能性は…ヤンキースの伝説リベラ&ジーターの明暗に見る“難易度と運”<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

シアトル・マリナーズ時代のイチロー。2025年のMLB殿堂入りに期待が集まる

2001年
デーブ・ウィンフィールド(外)84.5% 3110安打/W64.2(149)
カービー・パケット (外)82.1% 2304安打/W51.2(296)
2002年
オジー・スミス(内)91.7% 2460安打/W76.9(76)
2003年
エディ・マレー (内)85.3% 3255安打/W68.6(113)
2004年
ポール・モリター (指)85.2% 3319安打/W75.7(79)
デニス・エカーズリー(投)83.2% 197勝390セーブ/W62.1(170)
2005年
ウェイド・ボッグス (内)91.9% 3010安打/W91.4(43)
2007年
カル・リプケンJr.(内)98.5% 3184安打/W95.9(35)
トニー・グウィン (外)97.6% 3141安打/W69.2(109)
2009年
リッキー・ヘンダーソン (外)94.8% 3055安打/W111.2(19)
2014年
グレッグ・マダックス (投)97.2% 355勝/W106.6(27)
トム・グラビン(投)91.9% 305勝/W80.7(64)
フランク・トーマス (内)83.7% 2468安打/W73.8(88)
2015年
ランディ・ジョンソン (投)97.3% 303勝/W101.1(30)
ペドロ・マルティネス (投)91.1% 219勝/W83.9(57)
ジョン・スモルツ(投)82.9% 213勝154セーブ/W69(110)
2016年
ケン・グリフィーJr. (外)99.3% 2781安打/W83.8(58)
2017年
イバン・ロドリゲス (捕)76.0% 2844安打/W68.7(111)
2018年
チッパー・ジョーンズ (内)97.2% 2726安打/W85.3(51)
ジム・トーミ(内)89.8% 2328安打/W73.1(90)
2019年
マリアノ・リベラ (投)100.0% 652セーブ/W56.3(229)
ロイ・ハラデイ (投)85.4% 203勝/W64.2(149)

2020年
デレク・ジーター (内)99.7% 3465安打/W71.3(95)
2022年
デビッド・オルティーズ (指)77.9% 2472安打/W55.3(248)
2024年
エイドリアン・ベルトレ (内)95.1% 3166安打/W93.5(40)
ジョー・マウアー (捕)76.1% 2123安打/W55.2(250)

 ここ30年ほどの間にMLBで名を馳せたスーパースターの名前がずらっと並ぶ。

3000安打、300勝以上ならほぼ“一発当選”なので…

 この顔ぶれでわかるのは、打者で3000本安打、投手で300勝を挙げた選手は、ほぼ一発当選だということ。しかも得票率はおおむね85%以上の高率で選出される。これを踏まえれば通算3089安打しているイチローが、来年、一発で殿堂入りするのはほぼ間違いない。

 同様に、一昨年引退したアルバート・プホルス(3384安打)、昨年引退したミゲル・カブレラ(3174安打)も5年が経過すれば一発で殿堂入りするだろう。しかし満票=100%の得票率になるかどうかは微妙なところか。

 MLBの野球殿堂入り投票は1936年から始まった。ここまで276人の選手が選出されているが、記者投票で100%を獲得したのは2019年のマリアノ・リベラだけだ。

 リベラはニューヨーク・ヤンキースの絶対的なクローザー。投球のほとんどはカットボールだったが、わかっていても打てない「魔球」で、MLB史上最多の652セーブを記録。最多セーブ3回。引退した2013年でさえも44セーブを挙げた超人だった。

 近代野球は「先発完投」から「投手分業」の時代になり、とりわけ最後の1イニングを投げるクローザーの役割は重要性が上がった。その頂点に君臨したリベラへの敬意が満票という結果になったのだ。

ジーターは“満票殿堂入り”に1票足りなかった

 しかしこの年、投票権を持つ記者425人が全員リベラに投票したのは――運の要素もなかったとは言えない。

 それは翌年、デレク・ジーターのケースが象徴的である。

【次ページ】 満票殿堂入りへ、不利に働きそうな“ある数値”とは

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