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和田毅と“一緒にいた”選手からDM「確定ですか?」ソフトバンク番記者が目撃した“人的補償パニック”「甲斐野まで傷つく…リスペクトあったか」 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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posted2024/01/12 17:04

和田毅と“一緒にいた”選手からDM「確定ですか?」ソフトバンク番記者が目撃した“人的補償パニック”「甲斐野まで傷つく…リスペクトあったか」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

和田毅(42歳)の報から一転、甲斐野央(27歳)が発表されるまで何があったのか(写真は2023年12月契約更改時の和田毅)

番記者も球団職員も“衝撃”「ほんとっすか?」

 それから午前中のうちにPayPayドームに赴き、球団事務所の前でタカ番の新聞やテレビ局の記者らと何か動きがあるかもしれないと張り込んだもののそれらしい気配はなし。また、これまでの経験上でいえば、スクープ記事が出た場合は正午前後までに他媒体の“追っかけ記事”が出るものだが、それがない。唯一、在福テレビ局のテレビ西日本が取り上げていたが、各スポーツ紙のタカ番たちは「西武担当から連絡がないんです」と言い、みんながお互い首を傾げるように。途中、和田と同学年でともに一時代を築いた新垣渚氏(現球団職員)がひょっこり姿を見せたので声をかけると「何にも分からない。逆にほんとっすか?」と逆取材された。

 その後筆者は別取材のアポイントがあったため午後2時前にドームを離れた。そして、インタビューを終えて帰路についている途中に球団広報連絡メールで「甲斐野投手移籍」の事実を知った。

 一体何だったのか。誤報なのか、それとも――。

“世間の反響”で転換がもし事実なら…

 日刊スポーツは同日21時23分配信に<ソフトバンク山川の人的補償、異例決着の舞台裏 西武は和田毅打診も反響など鑑み急きょ方針転換>とのタイトルで記事を出した。『西武は当初、日米通算163勝の和田毅投手(42)の指名を打診したが、チームの顔の流出に対する反響の大きさなどを鑑みて、両球団が話し合って急きょ方針を転換。最速160キロの剛腕・甲斐野が選び直される急展開で、人的補償問題は決着した。』(引用)とリード文に記されており、本文内では『西武は10日時点で、昨年末にソフトバンクから出されたリストから和田を指名する方針を固めていた。方針通りにソフトバンク側に和田で打診したが、反響の大きさなどを鑑み、両球団が話し合って急きょ方針を転換』(引用)とある。

 もし、これが事実だったとした場合。重ねて仮の話にはなるが、そんな“ゴネ得”がまかり通るのならば、現行ルールに則っているとは到底言えない。ファン、球界関係者すべてへの裏切り行為となってしまう。

【次ページ】 「プロテクト漏れ」和田毅と“一緒にいた”選手から連絡

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