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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「東農大が通るまで踊り続ける」TVに映らなかった“大根踊り”の真実…応援団を直撃「大根は2kg」「よくよく聞くと“婚活ソング”」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2024/01/02 13:47
大根を持つ応援団員。あの大根おどりを詳しく取材すると、意外な事実が…
なぜ、大根だったのか?
ではなぜ、その手に大根を持っているのか。同書によると、初めてこのスタイルが人々の目に触れたのは1952年11月。東農大の「収穫祭」の宣伝のために、渋谷のハチ公前で学生たちが「宣伝隊」として法被姿で大根を持ち、歌い踊ったのが発祥だという。さらに「宣伝隊」は、街行く人々に大根1000本を無料で配布。これが当時、大いに話題を集めた。
「戦後間もないなか、笑いがなかったこの国にユーモアを復活させたかったという思いを込めたものだと聞いています」と中曽根准教授。以来70年余り、昭和、平成、令和と時代を跨いでも、「大根踊り」は見る人々に元気と笑顔を届けてきた。加藤団長は言う。
「大根踊り」だけでなく、他の演目にもぜひ注目して
「自分が知る限りですけど、応援の持ち物にナマ物を使っているのは日本で唯一かなと思うんです。難しいけれどその誇りも感じています。あとは『大根踊り』だけじゃなく、他の演目にもぜひ注目して欲しいです。自分は農大が日本一だと思って活動しているので、表情とか気持ちの面でも、これが日本の応援団だというところを見て欲しいです」
大学スポーツの応援といえば今や、チアリーディングやバトントワリング部が全盛。学生の気質や時代の変化もあり、いわゆる昔ながらの硬派な応援団は各大学で“絶滅危機”だ。しかし東農大はその牙城を守り続け、現在は2人の女子部員を含む14人が学ラン姿で奮闘している。
「競合の駒沢や青山学院には応援で勝ちたい! 応援団としてはこっちが王道なので、泥臭く、気持ちを見せていきたいです」と加藤団長。100年の歴史の中で繋いできた様々な思いも乗せて、気合とユーモアたっぷりに真っ白い大根を掲げる。
<「大根の秘密」編とあわせてお読みください>