濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「あんまり胸を張って言えなくて…」悩んでいたAZMを受け入れた“5人のお姉ちゃん”との話…キャリア10周年「クソガキ全開で(笑)」
posted2023/11/30 17:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
「他団体に出てみたい。海外でも試合がしてみたい」
スターダムのAZMは、以前からそう言っていた。団体生え抜きで、あだ名は「パイセン」。2002年生まれの21歳だが、ほとんどの選手は彼女より後輩なのだ。
「私より先輩なのは(岩谷)麻優さんと朱里だけなんですよ」
AZMが“スターダムの外”に出た理由
プロテストに合格したのは2011年、9歳の時。少し時間を置いて2013年にキッズファイターとして試合デビューを果たした。だから今年で10周年。記念すべき年にハイスピード王座のチャンピオンとして最多防衛記録も達成した。スピード、テクニック、そして“プロレス頭”に長けた、いわば“秀才”レスラーだ。
頭がいいから、自分に必要なものも分かる。それが“外”に出ることだった。
「スターダムの中だと、どうしても対戦したことのある選手との試合ばかりになるので。手の内を知ってるから“読み合い”が多いんですよ。でも他団体なら闘ったことのない選手と向き合えるし、お客さんも違う。団体によって空気感も変わるので。そうすると自分の新しい引き出しが開くんです」
12月2日の名古屋大会では、ジュリアが持つSTRONG女子王座に挑戦する。このタイトルは新日本プロレスがアメリカで開催する「NJPW STRONG」で生まれたもの。ジュリアもアメリカで防衛戦を行なっている。
「世界への切符」というジュリアの言葉に触発され、AZMは「世界への近道」としてSTRONG女子王座を狙うと言う。11月には初の海外遠征(シンガポール)も経験し、さらに世界への意欲が高まった。