Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER
[天衣無縫インタビュー]佐藤康光「盤上の理想、無限なり」
posted2023/11/26 09:00
text by

田名後健吾Kengo Tanago
photograph by
Takuya Sugiyama
AIの進化は現代将棋に大きな影響を与え、戦術面でも革命的な変化をもたらした。いまや棋士が研究パートナーとしてAIを導入することは、技術の向上や勝つための戦略を立てるうえで常識となりつつある。
緻密な棋風から「1秒で1億と3手読む男」といわれ、近年は独創的かつ自由な指し回しでファンを魅了してきた佐藤康光九段。
今年6月に6年4カ月務めた日本将棋連盟の会長を退任し、再び純粋なプレーヤーとなった今、AI全盛の将棋界をどう捉えているのか。天衣無縫の棋士に、将棋の未来について聞いた。
――会長としての公務に忙殺される中、佐藤九段は昨期まで同世代の中でただ一人A級の座を守り続けました。驚くべきことだと思います。
「自慢じゃないですけど役員になってから将棋の勉強はしなかったので(笑)。そういう中でどう戦っていくかは課題でしたし、自分なりの戦い方をしてきたつもりです。一回りも二回りも年下の棋士とのリーグ戦で毎年残留できたのは、たまたま相手の不調に助けられるなど、運が良かった部分もある。役員最後の年に陥落してしまいましたが、これから巻き返したい気持ちです」
――将棋は息の長い頭脳スポーツですが、50代という年齢をどう捉えていますか?
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。
残り: 4209文字
NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。
