「二人で同じ大会に出るとなぜか成績が良い」

　一歳年上の佐藤駿とは、ノービス時代から良い友人でありライバルだ。この大会ではSPもフリーも三浦は自分の前に滑った佐藤の演技をずっと見守っていたという。

「全部見てました。二人でファイナルに行こう、という決意をもってぼくたちはこのフィンランドに乗り込んでいるので。駿が良い演技をするとぼくも嬉しくて、さらに頑張ろうというモチベーションになるので、駿からパワーをもらって続けようという気持ちで挑みました」

三浦佳生（右）と2位となった佐藤駿　©Akiko Tamura

　二人で同じ大会に出るとなぜかお互い成績が良いという。

「二人でいるとなんか調子いいよねって。練習からすごいお互い刺激をもらいながら、駿もぼくとやっていると調子が上がると言ってくれるし、ぼくも意識しなくても集中していい練習ができている。そういう仲間を大切にしていきたいです」

　スケートアメリカで3位、ここで総合2位となった佐藤駿がファイナルに進出できるかどうかは、NHK杯の結果にかかってくる。

新フリーは人気アニメ「進撃の巨人」

　今季のフリーはシェイリーン・ボーン振付の「進撃の巨人」。振付をする前に彼女に普段何をしているのかと聞かれ、寝っ転がってアニメを見ていると答えたら、「アニメの動きは近未来的で面白いかも」と言われた。彼女が勧めてきた音楽のリストに含まれていた「進撃の巨人」を迷わず選んだ。「（自分に）めちゃ合ってると思います。ぼくにしか出せないスピードやスケールというものが進撃の巨人と合っている」

フリーはシェイリーン・ボーン振付の「進撃の巨人」　©Getty Images

　最後にジャッジの目の前で終えるポーズは、彼自身のアイディアだったという。「ラストポーズ決まってなくて曖昧になってたんで、決めちゃおう、と。ぼくとしては壁があるジャッジを巨人に見立てて、終わった風に見せかけて戦いは終わってないぞ、とジャッジにバッて戦いを挑む」というイメージだ。

　だが演技が終わると、ついジャッジに向かってぺこりと頭を下げる習慣がある。「目が合うんで……お疲れ様です、と」と苦笑いを浮かべた。

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