フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
「これは書いてほしいんですけど…」“進撃の巨人”プログラムも話題、三浦佳生が記者陣を笑わせた一言とは?「GPファイナルは勝つ気で」
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byJIJI PRESS
posted2023/11/22 17:00
GPフィンランド大会で優勝を果たした三浦佳生
憧れエイモズのすごさ「トランジションの鬼のよう」
これからパフォーマーとしてももっともっと自分の色を出していきたいという三浦だが、憧れはこの大会に一緒に出場して3位になったフランスのベテラン、ケビン・エイモズ選手だという。
「同じ氷に立った時に、最初のウォームアップのステップ一歩だけでお金取れるんじゃないかというくらい、ディープエッジで滑っていて。PCSが9点台に乗るのも納得でした」
名作と名高い今季のエイモズのフリー「ボレロ」も生で見ることができた。
「彼一人、ジャンプジャンプじゃなくて自分の世界観を持っている。トランジションの鬼のよう。しゃがんでからアクセルをやっている。ぼくだったらしゃがんだところで転んでいます」と称賛を惜しまない。会見でファンであることを告白すると、隣に座っていたエイモズは、「こうした優秀な若手たちにプッシュしてもらえるのは、素晴らしいこと」と笑顔で応えた。
「GPファイナルは勝つ気でいく」
GPファイナル進出を決めた三浦は、今季絶好調のアダム・シャオ・イム・ファやイリア・マリニンと12月に北京で当たることになる。GPシリーズ前半で二人とも300点越えという壮絶な戦いを見せつけられた。
「刺激というか、やる気を喪失させる。同じスケーターとしてはすごいな、早く追いつきたいなというよりは、『はい?』みたいな(苦笑)。やばいっす」
大会前にはそう口にしていたが、優勝が決まったら戦うモチベーションも上がった。
「これで(GPファイナルが)決まったのはすごく嬉しい。大会のチャンピオンとして恥ずかしくない滑りを見せたい。負けない気で……全然実力は及んでないんですけど、最初から勝てないと思ったら去年ファイナルでボロボロだったんで、勝つ気でいきたいと思っています」
すでにファイナル進出が決定したのは、三浦の他にシャオ・イム・ファ、マリニンの3人で残りは3スポット。今週末のNHK杯では宇野昌磨、鍵山優真らがファイナルへの切符をかけて戦う。ここでの結果しだいではエイモズ、佐藤らにも進出のチャンスがある。