プロ野球亭日乗BACK NUMBER
韓国監督も脱帽した“侍ジャパン投手陣” 井端監督が評価した3人とは? 5回完全の早川隆久、7回完封の隅田知一郎に…「根本、ヤバイですよ」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byGetty Images
posted2023/11/21 17:37
アジアプロ野球チャンピオンシップの第2戦、韓国を7回まで無失点に抑えた先発の隅田知一郎(24歳)
初戦の台湾戦で6回から2回を完全救援して、勝利投手に輝いた翌日のグラウンドで吉見一起投手コーチがこう絶賛する。
もちろん井端弘和監督も投球内容の良さに目を細める。
「レギュラーシーズンを見ていても立ち上がりから一回りはほとんど手も足も出ない状態で抑えていた。宮崎(キャンプ)で見ていても、あのボディーターンの速さというのは、初対戦の相手なら1回りは確実に抑えてくれると思っていた」
今大会では2試合5イニング69球を投げて、最速は決勝の韓国戦で150kmが2球出ただけ。真っ直ぐのほとんどが146~148kmあたりのスピード帯だ。しかしテークバックが比較的ゆっくりした状態で、トップから井端監督が指摘するように鋭い回転で真っ直ぐとフォーク、スライダーを投げ分ける。そしてボールのキレが抜群にいい。
「初見で対戦したバッターはなかなかタイミングがとりにくい。そこも彼の持ち味だと思う」
吉見コーチの見立てだった。
所属する日本ハムでは先発として今季は5度登板して3勝1敗という成績だが、なかなか数字が伸びないのはまだまだ体力不足が原因と井端監督は見る。
「体力が落ちた二回り目にボディーターンのスピードが落ちて打たれているように見えたので、そこがしっかりしてくれば先発でも十分に結果を残せる素材だと思います」
先発陣の収穫は隅田と早川
一方、先発陣での収穫は韓国との第2戦で先発を任された隅田知一郎投手(西武)と第3戦の先発・早川隆久投手(楽天)と、チェンジアップを武器とする両左腕だった。
「どのボールでもストライクが取れていたし、バッターがどんどん振ってくる中でストライクゾーンで勝負ができていた」
井端監督がこう評していたのは隅田である。