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「このままじゃヤバい…」プロの壁にぶつかった元U-17W杯のエース西川潤21歳、意識が変わった“屈辱のSB”とオランダ戦「あそこで僕は…」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byNaoki Morita/AFLO
posted2023/11/09 11:07
アジア大会での西川潤。サガン鳥栖で得た力を、パリ五輪を目指す日本代表として発揮する機会を増やせるか
「いろんな映像を見せてくれながら、課題と向き合いつつ、良さをもっと出せるように、というアプローチをしてくれて。去年の後半あたりから成長できているという実感がすごくあって、それがレンタル延長を決めた理由のひとつです。今年は開幕から使ってもらっていたんですけど、結果を出さなきゃっていう焦りがあって、プレーに余裕がなかったんですよね。メンタル的にもすごく不安定で。しばらくしてスタメンから外れるようになったんですけど、そこでもまたコーチの方にアドバイスしていただいて、プレー選択のところで頭がクリアになりました。アーセナルの(マルティン・)ウーデゴールの映像を見せてもらったりして、『こういうプレー、いいよね』って」
川井監督も「この2年で、今が一番いいと思います」
6月の代表戦で負ったケガから8月半ばに復帰すると、スタメンで連続起用された9月2日のサンフレッチェ広島戦、9月15日の横浜F・マリノス戦で好パフォーマンスを披露する。それが、アジア大会でのパフォーマンスに繋がっていくのだ。
9月以降の西川については、チームを率いる川井監督も高く評価する。
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「すごく良くなってきています。強度だとか連続性についても、自分の中で整理できたのか、単純に体に染みついたのか、最近はあまり言っていません。それに、いい意味での柔らかさも出てきましたね。そんなタイミングでアジア大会にも行って。数字はまだまだですけど、僕が彼を見ているこの2年で、今が一番いいと思いますね」
才能とキャリアを見れば、エリートだが
桐光学園高では1年時から10番を背負い、キャプテンを務めた3年時にはインターハイを制覇。在学中にドイツのレバークーゼンの練習にも参加した。日本代表では18年のU-16アジア選手権で大会MVPに輝き、19年には飛び級でU-20ワールドカップのメンバーに選出。自身の代ではエースとしてU-17ワールドカップを戦った。
才能とキャリアを見れば、明らかにエリートだろう。