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サトノダイヤモンド、悲願の“ジンクス打破”に隠された史実…アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』を読み解く「この温泉、もしかして…?」【ウマ娘考察#4】
text by
屋城敦Atsushi Yashiro
photograph by©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会
posted2023/11/10 18:00
サトノダイヤモンドのクラシック挑戦が描かれる4話~6話。感動的な菊花賞勝利とともに描かれていた史実とは…?
「身体もひと回り大きくなって」の意味
そのドゥラメンテに1年越しのリベンジを誓うのはキタサンブラック。メジロマックイーンが「身体もひと回り大きくなって」と讃えていたように、史実では皐月賞は510キロ、ダービーは520キロだった体重がハードトレーニングで鍛え上げた結果、宝塚記念では536キロにまで成長していた。
そして迎えた宝塚記念本番。戦前からドゥラメンテとキタサンブラックの“2強対決”と目されており、アニメでもそのふたりを中心にレースが描かれていくが、勝ったのは何と8番人気の伏兵リバーライト(史実ではマリアライト)。
「(勝ったのは)祭りでも、怪物でもない、牝馬のマリアライト!」という名調子で讃えられたこのアップセットを演出したのは、前日までの雨だった。当日の馬場はぬかるんでおり(発表は稍重)、前残りを狙う各馬によってペースは速くなる。結果、キタサンブラックは逃げ粘れず、ドゥラメンテはぬかるみに脚をとられて故障。前年のエリザベス女王杯勝者でありながら8番人気に甘んじていたマリアライトが、その隙を突いて見事にGI2勝目を飾るのだった。
フクキタルの占いを裏付ける数字
【第6話】
アニメ第3期で長らく話題に出てきた“サトノのジンクス”。第6話では“ジンクス破りの特訓”と銘打ち、この目に見えない敵と真っ向から向き合うことになる。特訓の中の星座占いに関するシーンで、サトノダイヤモンドが“みずがめ座”(1月30日生まれ)というくだりがあるが、じつはウマ娘、サラブレッドでみずがめ座というのはかなり珍しい。サラブレッドは春が繁殖期で、11ヵ月かけて出産を行うため3月~5月生まれがほとんど。それより早く生まれても、馬産地である北海道では豪雪の関係でたいした運動もできず有利にならない。そのため、多くはうお座、おひつじ座、おうし座のいずれかになるのだ。
マチカネフクキタルの占いでは「東は大凶、救いは西に」と告げられる。ここで菊花賞までのサトノダイヤモンドの戦績を確認すると、関東(東京、中山)では2戦2敗、関西(阪神、京都)では4戦4勝となっており、そのことを暗示していたのかもしれない。と言っても、関東での2敗は皐月賞3着、ダービー2着で「良績」の範疇なのだが……。
サトノのお姉さん、後輩たちの存在
回想シーンでは、GIの壁に阻まれた “サトノのお姉さん”が登場する。史実においても、サトノダイヤモンドの先輩にあたるサトノノブレス(2013年菊花賞2着)、サトノギャラント(2012年皐月賞6着)、サトノタイガー(2014年JBCスプリント2着)が頂点の壁に阻まれてきており、その苦闘の歴史が再現されている。