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サトノダイヤモンド、悲願の“ジンクス打破”に隠された史実…アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』を読み解く「この温泉、もしかして…?」【ウマ娘考察#4】
text by
屋城敦Atsushi Yashiro
photograph by©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会
posted2023/11/10 18:00
サトノダイヤモンドのクラシック挑戦が描かれる4話~6話。感動的な菊花賞勝利とともに描かれていた史実とは…?
合宿では特徴的な“温泉”が登場するが、これは福島県いわき市のJRA競走馬リハビリテーションセンター(当時は“競走馬総合研究所常磐支所”)がモデルだと思われる。ここではかつてオグリキャップやトウカイテイオー、そしてミホノブルボンといった名馬たちも疲れを癒やしていた。
いわき市から中山競馬場まで…まさかの再現度
4月17日、皐月賞の開催日。キタサンブラックはそこから180キロの道のりを越えて中山レース場へサトノダイヤモンドの応援に赴く。千葉県内に入り、ウマ娘専用レーン(50キロ制限なのは、サラブレッドの長距離での速度が50キロちょっとというところからか)を行くキタサンブラックだが、そのシーンをよく見ると何と中山競馬場の事務所前の光景にそっくり。意外なところにもネタが差し込まれているのである。なお、皐月賞が終わって合宿地に戻るシーンでは、茨城県の牛久の大仏と思しき像が見えていたりする。
エンディングで描かれたのは天皇賞(春)。モデルとなった2016年の同レースでは、せん馬として初の天皇賞勝利に手が届きかけていたカレンミロティックを、キタサンブラックがわずか4センチ差し切ってGI2勝目を挙げている。その結果、第3話でゴールドシップから受け継いだ立体パズルは、新たに1面揃えられることになった。
メジロ家は著名人がズラリ
なお、寮でサトノダイヤモンドが飾っているメジロマックイーンのポスターに書かれている“主演女優12本”のキャッチコピーは、史実の“ヒーロー列伝”での“主演作12本”が元ネタ。メジロマックイーンの名前の由来は米俳優のスティーブ・マックイーンであり、GI・GIIで1番人気になった回数が12回、そして通算勝利数も12回なのだ。ちなみにその年のメジロの馬名は皆“海外の著名人”を典拠としており、メジロライアンはメジャーリーガーのノーラン・ライアンから、メジロパーマーはプロゴルファーのアーノルド・パーマーから採られている。