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「大谷翔平の獲得へ動くことは確実」 名門ドジャースが切望する“チームの顔”…監督の本気「(チームを)立て直す方法を見つけないといけない」
posted2023/11/03 17:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
西海岸の名門ドジャースが、地区シリーズで同地区のダイヤモンドバックスに3連敗を喫し、ポストシーズン(PS)から姿を消した。公式戦で3年連続となる100勝を挙げ、地区連覇を遂げたものの、勝負所の10月に足をすくわれた。敗退後、デーブ・ロバーツ監督は、静かな口調で1年を振り返った。
「公式戦では、すばらしい仕事をした。だが、過去2年間のポストシーズンで、我々が良くなかったことはよく分かっている」
2013年からの地区8連覇を含め、過去11年連続でPSへ進出し、メジャー屈指の「常勝軍団」であることに疑いはない。だが、コロナ禍で公式戦60試合開催となった'20年以外、世界一には届いていない。今季のMVP候補にも挙げられるムーキー・ベッツ、フレディー・フリーマンら4人が100打点以上をマークするなど、屈指の得点力を持つ一方、地区シリーズでは、エース左腕クレイトン・カーショウをはじめ先発陣3人が、いずれも3回を持たずにKOされた。
先発陣のコマ不足は明確だった。中軸トニー・ゴンソリンをはじめ、昨季開幕投手のウォーカー・ビューラーらを故障で欠いただけでなく、9月上旬には、'21年最多勝、'22年最優秀防御率の左腕フリオ・ウリアスが、DV(家庭内暴力)で逮捕された結果、休職扱いとなり、チームから離脱した。戦力面だけでなく、クラブハウス内の士気に乱れが生じても不思議ではなかった。
大谷翔平の獲得へ動くことは確実
長年、大黒柱としてけん引し、契約切れとなるカーショウは、今後について「何とも答えられない」と、引退の可能性を含め、進退を明確にしていない。その一方で、ドジャースが今オフ、エンゼルスからFA(フリーエージェント)となる大谷翔平の獲得へ動くことは確実とみられる。右肘手術後の大谷は、'24年こそ打者専念ながら、'25年以降は「二刀流」としての完全復活が期待される。カーショウの動向にかかわらず、今後の「チームの顔」としては申し分ない。ロバーツ監督は、明確な口調で言った。
「立て直す方法を見つけないといけない。自分達を哀れむのではなく、向上しなくては。それしかない」
世界一奪回へ。大谷獲得が、そのカギを握るに違いない。