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「今年はキャプテンなので…」順天堂大・三浦龍司(21歳)が見据える箱根駅伝…才能を開花させたコーチの一言「サンショーに出会って変われた」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byJIJI PRESS
posted2023/10/22 11:01
箱根駅伝、そして来年のパリ五輪での活躍も期待される三浦龍司
「自分はサンショーに出会えたことで変われた」
高校に進むにあたって、本格的に3000m障害を目指すことを決め、強豪である洛南高校に進学。年を経るごとに好成績を残していった。
「入った頃、種目としての立ち位置がものすごくマイナーでしたし、他のところで勝負できない選手が選ぶ種目というイメージがありました。世間の注目度を抜きにしてというか、顧問の方が力を入れて指導してくださいました」
消去法としてではなく自ら選択して取り組む三浦をスペシャリストとして育てようという指導者の存在があった。
同時に、成長することができた理由は三浦本人の意識にあった。
「自分はサンショー(=3000m障害)に出会えたことで変われた人間です。自分を日本のトップレベルだったり国際大会というところで戦える選手にしてくれた、そういう種目に出会えた」
興味を持ち、好きになることができたのと成績を伸ばしていったこと、それが連鎖するように好循環を生んだ。それが大きかった。
「だからこそ、この種目を続けたいなって思いますし、勝負していきたいと思います」
「僕の希望みたいなものはどんどんふくれています」
東京五輪後は、ヨーロッパ遠征をはじめ国際大会の経験を重ねてきた。その中で一定の成果を上げられたことから自信を深め、世界の上位に割って入っていける青写真も具体化していった。世界選手権では6位入賞を果たしてなお、悔しさも募ったのは、「自分はもっと上に行ける、やれる」という自分の可能性への確信が生まれているからこそだろう。次の言葉は象徴的だ。
「僕の希望みたいなものはどんどんふくれています」
種目への愛着があるからこう語る。