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「無理でしょ、って言われても…」生前のアントニオ猪木が“オカダ・カズチカに贈った言葉”とは?「猪木イズムというのは『闘う姿勢』だと思う」 

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堀江ガンツ

堀江ガンツGantz Horie

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2023/10/05 11:01

「無理でしょ、って言われても…」生前のアントニオ猪木が“オカダ・カズチカに贈った言葉”とは?「猪木イズムというのは『闘う姿勢』だと思う」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

映画『アントニオ猪木をさがして』にも出演しているオカダ・カズチカ

猪木がオカダに“贈った言葉”とは?

 この対談の中で猪木は「俺自身は、いまのプロレスを否定するつもりはまったくない」としながら、「ただ、ひとつだけ言いたいのは、『客に媚びるな』ってこと」「媚びるくらいなら怒りを力に変えて、こっちに振り向かせてやるというかね」と、オカダや今の選手たちにアドバイスを送っている。

「お客に媚びていたらダメだ、というのは僕自身も感じますね。お客さんに媚びてるレスラーはファンに認められない。それは昔の内藤(哲也)さんがそうだったと思うんですよ(笑)。でも、媚びずに好き放題やるようになり、ロスインゴ(ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン)になってからの内藤さんは、逆に多くのファンを惹きつけるようになりましたから。やっぱり媚びていたらお客さんに見透かされてしまう。だから、僕もいい意味でお客さんを突き放して、自分のやりたいことをやっていきたいですね」

オカダが感じた“猪木との共通点”

 猪木とオカダは年齢も生きてきた時代もまったく違う。それでもオカダは映画『アントニオ猪木をさがして』を見て、自分との共通点を探し当てたという。

「猪木さんは13歳で家族とブラジルにわたり、コーヒー農園の過酷な労働で苦労をしながら、ブラジル遠征に来た力道山さんにスカウトされてプロレスラーになったわけですよね。僕も15歳でメキシコにわたって、ほかの人ができない経験をしてきたので、そこにシンパシーを感じました。

 僕は自分の意志でプロレスラーになりたくてメキシコに行ったので、生きていくためにブラジル移民となった猪木さんとはケースは違いますけど、10代のうちに海外経験で得た感性的な部分って、絶対にあるんじゃないかと思います。猪木さんはブラジルでの経験が一種のアイデンティティになっていたと思うんですけど、それは僕も同じなんですよ。

 今、新日本の若い選手が修行で行くメキシコマットと、僕が10代で経験したメキシコマットは全然違っていて。僕の場合、リングを降りたら目の前に野良犬がいたとか、大雨のなかで試合をしてたとか、こんなこと経験してる新日本の選手はたぶんいないですからね(笑)。あの頃のハングリー精神っていうのは、僕も持ち続けていこうって、猪木さんの映画を見てあらためて思いましたね」

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