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藤井聡太に勝利後、「自分でも驚いている」発言で話題に…広瀬章人が明かす快進撃の要因「息子が保育園に行くようになって…」
text by
大川慎太郎Shintaro Okawa
photograph byHirofumi Kamaya
posted2023/10/15 06:01
昨年の竜王戦、藤井聡太に2勝を挙げた広瀬章人。本人に好調の要因を聞くと…
「勝敗で一喜一憂することはほとんどありません。熱戦にならなかった時は残念な気持ちになりますけど」
竜王獲得報告の第一声は「奇跡が起きました」
広瀬は勝負師らしく闘志を前面に出すタイプではない。むしろ普段は自虐的な話が多いのだ。関係者から「頑張ってください」と発破をかけられれば、「いやー、ダメです」と苦笑で返す。なお、羽生の100期を阻止して竜王獲得を夫人に電話で報告した時の第一声は、「奇跡が起きました」だった。
とはいえ軟弱ではなく、肝が据わった男である。2015年に渡辺明とイタリアでサッカーのセリエA(ユヴェントスvsトリノ)を観戦した際、うっかりアウェーのエリアに入り込んでしまった。繊細な渡辺はホームチームであるトリノサポーターの激しい敵意に脅えて(紙爆弾も投げ込まれた)縮こまっていたが、広瀬はビールを飲みながらのんびり観戦していた。
「4強」が崩れることを予知
2021年1月現在のタイトルホルダーは、渡辺明、豊島将之、藤井聡太、永瀬拓矢の4人で、そのまま「4強」と言われている。その次のグループに位置するのが広瀬や羽生だ。「4強」について尋ねると、「いやー、4人は本当に大変だと思いますよ」と他人事のように言う。
「なんとなく今年は4強が崩れそうな気がするんです。安定して勝っているのは藤井さんだけですから。4強が減るのか新しい人が加わるのか、それはわからないですけど」
その時の自分の状態によりますね
そこに割って入るつもりはあるのか。