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「主人公が細身なのは千代の富士の影響も…」未完の“伝説的相撲漫画”『バチバチ』はいかにして生まれたか《Netflix『サンクチュアリ』で話題》
text by
山崎ダイDai Yamazaki
photograph byNumber/佐藤タカヒロ
posted2023/09/30 17:00
連載終了から5年が経った今も根強いファンが多い相撲漫画『バチバチ』シリーズ。主人公のモデルとなったのは…?
作者急逝による突然の”完結”
2度のリブートを経て、多くのファンに支持されながら9年間続いた連載は、しかし突然の終わりを迎えることになる。2018年7月に、佐藤さんが41歳という若さで急性冠症候群で急逝したのだ。まさにあと少しで連載が完結する――というタイミングでのことだった。
「そもそも週刊連載という仕事自体がどうしてもタイトなスケジュールになりがちな中でも、佐藤君は絶対に妥協しなかった。後任の担当編集者が仕事場に行った時に、『描き直した原稿の量がとても多くて驚いた』と言っていましたから。そういう部分で無理をしていたのかもしれません。
物語の結末についても、完結まで話の流れは既に決まっていたんです。でも、週刊連載というのは、やりながら展開もどんどん変わっていく。だから、あるものが本当にそのまま雑誌に載る可能性というのは極めて低いんです。『アシスタントさんの力を借りて最後まで描いてほしい』という声もたくさん頂きましたけど、そういう事情もあって、やっぱりここで完結としよう……ということになりました」
最後はあまりに予想外の形で連載終了となったが、完結後も作品は多くのファンに支持され、最後の掲載から5年が経ったいまでも電子版を中心に単行本は売れ続けているという。
「それだけ漫画に力があったということだと思います。今回『サンクチュアリ』のヒットもあって、結果的にまた『バチバチ』の名前を多くの方に見てもらえる機会になりました。先生は亡くなってしまいましたが、作品は生き続けている。これを機会に、ぜひ作品を読んでもらって、その魅力、ひいては大相撲の魅力まで、多くのみなさんに知ってもらえれば嬉しいですね」