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「ふたりで飲みだすと止まらなくなる」“阿吽の呼吸”で大関復帰を目指す安青錦と安治川親方の挑戦「あくまでも優勝を狙っていきます」
posted2026/07/12 17:00
安青錦(左)と安治川親方(右)
text by

佐藤祥子Shoko Sato
photograph by
Yuki Suenaga
1100人の招待客を前に、安青錦の大関昇進パーティが開かれたのは6月初旬のことだった。それまで「大関昇進どころか横綱昇進パーティとなるのでは?」と言われるほどに快進撃を見せていた安青錦。昨年11月の九州場所では関脇として初優勝し、大関に昇進。入門からわずか3年弱でのスピード出世だった。今年1月初場所では新大関として優勝、2場所連続優勝となり3月春場所では早くも綱取りの声が掛かっていたのだ。
しかし、場所途中で左足を痛めて相撲人生初となる、まさかの負け越しを喫す。一転、カド番大関として迎えることになった5月夏場所は、左足のケガのために全休することになった。綱取りどころか、来たる7月の名古屋場所では関脇に陥落することとなる。そんな試練のなかで開かれた昇進パーティだったのだ。
「それ、親方の冗談ですから(笑)」
招待客を前に壇上で挨拶する、ウクライナ出身の22歳の青年――安青錦は、碧い瞳でまっすぐに前を見つめ、よどみなく、力強く言葉を紡いでいた。
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「(前略)悔しい思いもしましたが、さまざまな経験をすることができ、その時間を通してさらに相撲が好きになりました(中略)。これからもてっぺんを目指して、憧れられるような力士になれるよう頑張ります」
それは割れんばかりの拍手を受けた”名挨拶”だった。師匠である安治川親方(元関脇安美錦)に「立派な挨拶でしたね」と伝えると、
「あれ、みんな前を向いてたから気が付かなかっただろうけど、後ろのスクリーンに文字が映ってたんだよ」
ええ? そうだったのか……。疑心暗鬼で安青錦本人に問うてみると、
「?? そんなことないですよ。しっかりと自分の言葉で考えて練習しました。それ、親方の冗談ですから(笑)」
ことほど左様に”阿吽の呼吸”を持つ師弟でもある。土俵以外では、酒を酌み交わしながら相撲談義をするのも日常のことだ。
「ふたりで飲みだすと止まらなくなる。『飲み過ぎるなよ』と安青錦に注意するのではなく、親方の僕のほうが気を付けなきゃいけないくらいなんです(笑)」
そう親方は目を細める。

