カリスマ的な指導者として知られる大阪桐蔭吹奏楽部の梅田監督　©︎Haruka Sato

吹奏楽部に入るには？

「今年の新入生は、約50人の枠に200人の希望者が来てくれました。多くの生徒さんがうちでやりたいと思ってくれているのは大変ありがたいですし、我々としても、とてもうれしく思っています。ただ、練習場所のキャパシティや移動時のバスの問題など、適正人数を考えると3学年で180人が限界なのです。

　部活説明会では、保護者の方も交えて活動方針や希望楽器などの個別面談をさせていただいています。聴音や楽譜を読むソルフェージュ、スケールの知識など、基本的な音楽能力があることはもちろんですが、演奏技術よりもまず学力ですね。優秀な子は何でも一生懸命やりますので、ある程度の学力は必須です。うちは専願なので、2月の試験を受けていただいて入学出来れば、まずは100曲分の楽譜を渡します」

専用のシンフォニックホールにはトロフィーの類がズラリ　©︎Haruka Sato

　現在、全日本吹奏楽連盟に加盟している高校の吹奏楽部は3700団体近くあるが、一度に100曲もの楽譜を渡されるという吹奏楽部は聞いたことがない。「楽譜100曲」の内訳は、コンサートや野球応援で演奏する曲目など、人気のポップス曲からミュージカルナンバーなどの大作まで、幅広いバリエーションだ。

入学するや即“100曲ノック”

　大阪桐蔭はコンサートの機会が多く、その目玉は「リクエストコーナー」。梅田氏がステージから客席に向かってバットでボールを打ち、キャッチした観客が好きな曲をリクエストできるという人気企画で、『アナと雪の女王』の楽曲、『新時代』（Ado）、NHK大河ドラマ『どうする家康』のメインテーマ、『松田聖子メドレー』、『ジャンボリミッキー！』など、子どもから年配客まで楽しめるラインナップがズラリと60曲並ぶ。これ以外に、演奏会の定番曲などが加わるため、100曲にものぼるというわけ。

　新入生は、3月に開催されるセンバツや夏の甲子園応援に向けて、入学後すぐに「100本ノック」ならぬ“100曲ノック”の練習が早くも始まるのだ。

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