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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「おい、フルトンがおかしいぞ…」井上尚弥の“仮想フルトン”になったアメリカ人の告白「ナオヤと1カ月前に話した“腹、腹、腹…”プラン」
posted2023/08/19 17:04
text by
林壮一Soichi Hayashi Sr.
photograph by
AFLO
筆者は今回アメリカに渡り、ラミドにインタビューを行った。井上尚弥と何度もスパーした若者が感じたこととは? 【全2回の2回目/#1へ】
◆◆◆
<4年前、LAで井上尚弥と初めてスパーをしたジャフェスリー・ラミド。今年は井上に指名され、横浜で仮想フルトン役を担った。じつはジャフェスリーは「フルトン戦は拮抗したファイトになる」と予想していたという。>
「モンスターのジャブはタイミングが素晴らしい」
「2019年に、ワイルドカードジムで最初に手を合わせた折に感じたのは、テクニックがあって、距離の取り方が巧みな選手だなと。10日くらいやったけれど、ラウンド数は覚えていません。彼はドネアとの第1戦で、右目をカットし眼窩底骨折を負いましたね。以降、ディフェンス面に気を配っている気がします。もともとが疎かだったという意味ではなく、意識が高くなったように感じます。僕とのスパーリングにおいてもです。
モンスターのジャブは素晴らしいですよ。速くて重い。それ以上にタイミングの良さが秀逸です。あれがあるから、次のパンチが生きるんですね。ただ、僕もディフェンスには自信を持っていますし、カウンターを得意としていますから、彼とのスパーでは、敢えてリング中央で動きを止めて誘う、というようなこともやりました。モンスターも、そうした誘いを仕掛けてきます。本当に学ぶことばかりでした」
2022年9月、ジャフェスリーは再びワイルドカードジムで、井上尚弥とスパーリングする機会に恵まれる。3年ぶりに対峙した。
「ナオヤはポール・バトラー戦に向けて、ロサンゼルスに来ていました。その時は4ラウンドだけで、後はナオヤの従兄弟であるコウキ(浩樹)とのスパーが組まれたんです。でも、4ラウンドだけですが、モンスターの変化は感じました。変化というか、伸びですよね。パンチをヒットする精度が増していました。顎や耳の後ろ、あるいは肝臓を、ピンポイントで打ち抜いてきました。僕は、対応するのに必死でしたよ」
“1カ月前”に話した「ボディーの方が当たります」
2023年2月、井上vsフルトン戦が延期となる前のキャンプで、ジャフェスリーは横浜にステイして4階級制覇を目論む挑戦者のスパーリングパートナーをこなした。