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「この2年は“闇堕ち”の話題性」人気覆面レスラー、泣き顔の告白…飛躍を期すスターライト・キッドが語った「やりたい相手」とは? 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byEssei Hara

posted2023/08/01 17:00

「この2年は“闇堕ち”の話題性」人気覆面レスラー、泣き顔の告白…飛躍を期すスターライト・キッドが語った「やりたい相手」とは?<Number Web> photograph by Essei Hara

スターダムリーグ戦「5★STAR GP」での活躍を誓うスターライト・キッド

泣き顔で語った悔しさ「中心に食い込んでいけてない」

 この日のメインは、安納サオリvsなつぽい。どちらもスターダム生え抜きではなく、アクトレスガールズ出身だ(安納はフリー)。デビュー前から続く友情と嫉妬が絡まるライバル関係、その濃厚なドラマが話題になった。他にもアイスリボン出身のジュリアと鈴季すずなど、今のスターダムではしばしば他団体から続く物語がリング上を盛り上げている。

 スターダム生え抜きのキッドには“団体を超えるドラマ”はない。けれども女子プロレスファンとして長い時間を過ごしてきた“正統な女子プロレスラー”としての誇りがある。それをリングに持ち込んでもいいだろうと言ったのだ。

 自分の現状にも納得できていなかった。だから奈七永戦が必要だったとも言える。熱っぽく話すうちに、キッドは泣き顔になっていた。

「悔しい……27年のキャリアがある奈七永には何も通用しなかった。自分の中では去年との差も大きくて。今のスターダムの中心に食い込んでいけてない。前に進むため、新しく切り拓くために今回の試合を利用したいと思った。伝授してもらったモモラッチも活かして、5★STAR GP(夏のリーグ戦)は何がなんでも獲りにいく。私はこういう熱い闘いが本当は好きだし、もっとこういう試合がしたい。(シングル)7番勝負をやっても面白いんじゃないかって。会社の方、どうですか? 私にもっともっと熱い闘いをやらせてください」

“闇堕ちの話題性”以上のものを

 キッドは2年前にユニット抗争で敗れ、大江戸隊に強制加入させられた。そこで腹を括り、マスクもコスチュームも黒にする。凶器を使えば乱入もするヒールファイトを展開。“闇堕ち”の大胆さはむしろファンの心を掴んだ。

 ただ昨年2月にハイスピード王座を失ってからは、シングルで大きな結果が残せていない。現在は若手主体興行NEW BLOODのタッグ王座を保持しているが、それでキャリアが上昇している感覚はないという。

「私は若いとはいえデビューが早いからキャリア8年。他の“若手”より長くやってる。NEW BLOODのベルトも嬉しかったけど、あの場では私は上の立場だからね。やらなきゃいけないのはスターダムの本戦でもっと上の選手たちに絡んで、結果を出すこと。それがずっとできてない。

 去年までとも活躍に差が出てると思う。でもこの2年間は“闇堕ち”の話題性と勢いでやってきたのかな。そこも変えていかないと。まだ中野たむ、岩谷麻優、朱里、林下詩美といった(シングル王者)クラスと対等にはなれてないから」

【次ページ】 ヒールでも、暴れるだけでは終わりたくない

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