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「3人の小僧を信じるのはやめろ」ウィル・オスプレイがオカダ撃破後に語った“三銃士推し”への不満「オレが新日本に黄金期を取り戻す」
posted2023/07/31 17:01
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
新日本プロレスは真夏の最強決定戦『G1 CLIMAX』の真っただ中だ。7月27日、大田区総合体育館で行われた公式リーグ戦で、ウィル・オスプレイがオカダ・カズチカにフォール勝ちした。
その結果、開幕から4連勝していたオカダに初めて黒星がつき、Bブロックではオカダとオスプレイがともに4勝1敗の勝ち点8でトップに並んだ。
試合時間の短縮は結果にどう影響しているのか?
「ジェフ・コブがこの試合前にアドバイスをくれたんだ。『20分頑張れよ』って。ジェフもオレが勝つということを信じていないんだなと思った。実際、オカダを20分弱で倒すのは不可能に近いことだ。世界で最も難しいことかもしれない。これまではね。だが、オレはIWGP USヘビー級王座戦でケニー・オメガを倒した。オレはやれると思った。確信していた。会場にいてくれたファンに心から感謝したい。みんながオレのセコンドだった。みんながオレをサポートしてくれた。そして、オレを信じてくれた」
実際、試合中の声援の大きさはオスプレイがオカダを上回っていた。
オカダvs.オスプレイは昨年のG1の決勝カードだった。この試合は33分53秒でオカダが勝利をおさめている。
コブがオスプレイに「引き分けてこい」という意味で「20分頑張れよ」と声をかけたのがわかる。オカダは今回、30分から20分になった試合時間を気にしていた。試合時間が短縮されたことによって、引き分けが量産されるのではないかという危惧もあった。以下はこれまでのオカダの試合時間だ。
15分23秒 グレート-O-カーン 勝利
16分21秒 エル・ファンタズモ 勝利
16分20秒 タイチ 勝利
16分32秒 YOSHI-HASHI 勝利
17分21秒 ウィル・オスプレイ 敗戦
これを見ると、オカダは試合時間に合わせた戦い方をしてきたということなのだろうが、引き分けたくないという両者の思いが、勝敗を左右するのかもしれない。データ的には15分から17分にかけての2分間が、勝敗を分ける時間帯ということになる。
試合は長ければいいというものではない。凝縮された時間というものもある。5分でも10分でも構わない。「よかった」とか「悪かった」というのは、見ていたファンが決めることだからだ。