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「クロアチアより日本を警戒していた」元ブラジル代表コーチ・サンパイオの“W杯ガチ森保J評+ウラ話”「ミトマはネイマール、メッシに匹敵」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byPatrick Smith-FIFA/Getty Images
posted2023/07/30 11:02
カタールW杯ブラジル代表コーチを務めたサンパイオに、母国のセレソンと日本代表について“ココだけの話”を聞いた
グループステージ(GS)を首位で突破し、ラウンド16の韓国戦もほぼ完璧な内容だった(4-1と大勝)。しかしこの4試合で数人の選手が故障したり体調不良となったのは痛かった。
準々決勝のクロアチア戦は我々が優勢で、シュート数(20対9)でも枠内シュート数(11対1)でも相手を圧倒した。延長前半、見事な中央突破からネイマールがゴールを決め、勝利は目前だった。だが延長後半、サイドを崩されてクロアチアに追いつかれた。彼らに、試合を通じての唯一の枠内シュートを決められたのだ。この期に及んで、言い訳をするつもりはない。内容では我々が圧倒していたが、決め切れなかった。それゆえ、120分間で負けたわけではないが、勝ち上がることができなかった」
日本はクロアチア戦にも勝っていておかしくなかった
――日本は、ドイツとスペインに逆転勝ちしてGSを首位で勝ち上がりました。日本の戦いぶりをどう見ていましたか?
「我々は、2021年6月に東京で日本と対戦し、非常に苦しめられた(注:ブラジルが1-0で勝利)。Jリーグが歴史を積み重ね、日本のフットボールは着実に進歩した。
それでも、率直なところ、W杯の舞台で優勝経験国を2つも倒すとは予想していなかった。モリヤス(森保一)監督が攻守にバランスが取れた素晴らしいチームを作っていた。ラウンド16のクロアチア戦も見事な内容で、日本が勝っていておかしくなかった。日本はアジアでは最強で、今では韓国にかなりの差をつけていると思う」
分析でクロアチア以上に警戒していたんだ
――もし日本がラウンド16でクロアチアを倒していたら、準々決勝で日本とブラジルが対戦するところでした。
「我々は、日本を非常に警戒していた。もし日本がラウンド16を勝ち上がってきたら、クロアチアよりもやりにくい相手になると分析していた。その一方で、私個人としては日本との対戦が実現せず、残念な気持ちもあったけれどね」
――延長、PK戦の末、クロアチアに敗れた後、ロッカールームでチッチ監督は選手、スタッフに何を話したのでしょうか?
「『君たちと一緒に仕事ができて、とても幸せだった』と言葉少なに語った。我々コーチングスタッフには、『自分がどこかのチームの監督を務めることがあれば、君たちとまた一緒に仕事をしたい』と言ってくれた」
――今後、セレソンが再び世界の王者に返り咲くためには何をすべきだと思いますか?