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藤井聡太七冠「順位戦勝率.919」に土をつけた稲葉陽、「序盤、中盤、終盤スキがない」豊島将之らの“藤井将棋評”「中盤からジリジリと…」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byNanae Suzuki
posted2023/07/03 11:00
2021年の藤井聡太。彼と盤を挟んだ対局者もまた、勇敢な棋士たちである
「藤井さんは持ち時間が長い対局だと中盤からジリジリよくなって、そのまま押し切っていることが多い」
将棋ファンは現在、藤井が勝勢に向かう際の展開について、対局中継に表示される評価値から「藤井曲線」と評しているが――すでにこの段階で豊島はその強さを言語化していたのだ。
藤井相手に“あと1勝”に迫った実力者だけに
この年、豊島は藤井と王位戦、叡王戦、竜王戦と計3つのタイトル戦で相まみえ「十九番勝負」と言われた。結果は2つの失冠とタイトル奪取ならずに終わったものの、叡王戦では2勝2敗と藤井相手に“あと1勝”まで迫ったことも記憶に新しい。
7月3日、佐々木大地七段との棋聖戦第3局に臨む藤井は「八冠ロード」に注目が集まっている。偉業達成なるかを大きく左右する王座戦挑戦者決定トーナメントで豊島は4強進出しており、渡辺明九段との準決勝に勝利すれば藤井との再戦が待ち受ける。このトーナメントで「振り飛車」を採用して将棋ファンを驚かせるなど、オールラウンダーぶりを見せる豊島の戦いぶりにもぜひ注目したい。
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