グラビアの仕事でもプロレスの試合でも、自分のファンだという人たちがいる。その人たちに褒めてもらうことで、さらに自信がついた。

「昔は人と話すこともできないくらいだったのに、自己肯定感がどんどん高まっていって。なんでもそうだと思います。やっぱり褒めてもらうとやる気が出るし力がつくんです」

　だから「私は“女”を武器にしたい」と杏ちゃむ。

「綺麗になって褒めてもらえて稼げる。こんないいことないです」

コスチュームにも気を配る理由

　会場売店での主力商品となるポートレート（その場でサインを入れる）のバリエーションを増やすことにも余念がない。そのためもあってコスチュームもたくさん用意している。オリジナルの一点ものだから高額なのだが、そこを惜しんでは“戦うグラビアアイドル”の意味がない。

「ゆくゆくはご飯屋さんとか飲み屋さんをやってみたいです。でも、その時も今いるファンの人たちと離れたくない」

　自分を愛してくれるファンだから、長く付き合いたいし飽きさせたくない。頑張るから褒めてもらえるし、褒められるから頑張れる。

お尻のタトゥーに込めた意味

　杏ちゃむのトレードマークは、リング上では関節技、グラビアではお尻に入れたタトゥーだ。絵柄は蓮のつぼみ。

「中学生の頃は荒れてたんです。いろんな人に迷惑かけて、児童相談所で過ごしたり精神科にも。中学生なのに同棲したり。タトゥーを入れたのも周りの影響ですね。それとグラビアで過激な仕事が多くなってきたので“タトゥーがあれば隠すことで露出が抑えられる。タトゥーを隠す程度しか露出しない”っていう意味もありました。でも自分が衣装を間違えて、撮影会でタトゥーが出ちゃう水着を着たら意外と好評で（笑）」

　それからは杏ちゃむといえば蓮のタトゥーというイメージに。蓮のつぼみであることにも意味がある。

「蓮は泥の上に咲く花。嫌なこと、悪いことを昇華して、いつか花咲くようにって」

　彼女はプロとして闘いを見せ、“セクシー”を売る。侮るなかれ、その“セクシー”には深い思いが込められているのだ。

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キャッチフレーズは「戦うグラビアアイドル」…異色の女子プロレスラー杏ちゃむの“武器”「私、おじさんキラーみたいで（笑）」《特別グラビア》

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