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濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「リングでのグラビアポーズも個性です」“戦うグラビアアイドル”杏ちゃむが明かす、プロレスとの両立生活「私は“女”を武器にしたい」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byTakuya Sugiyama
posted2023/06/30 11:01
“戦うグラビアアイドル”のキャッチフレーズで活動している女子プロレスラーの杏ちゃむ
イメージDVDの撮影前は、プロレスを休む
とはいえ二足の草鞋は簡単なことではない。もともとキックボクシングを習っていて、格闘家になりたかった時期もあると言う。
「でも、どうしてもあざができちゃうんですよね。写真なら加工して消せるんですけど、動画だと難しくて。あざがいいって言ってくれる人もいたんですけどね。あざのプリンセスで“あざプリ”って呼ばれたり(笑)」
実際のところ、プロレスでもあざができる。ただ長く続けていると「皮膚が頑丈になったんですかね。あざがつきにくくなりました」。
それでもイメージDVDの撮影前は1週間ほど練習と試合を休むそうだ。
「普段の練習で筋肉はついちゃいますね。特にコスチューム姿になると肩とか二の腕の筋肉はグラドルのレベルじゃない(笑)。試合で相手を持ち上げたり担いだりすることでも体は大きくなっていきますし。
グラビアのお仕事も大好きなので、できるだけ長く続けたい。そのためにグラドルとしての体型も維持していこうと思ってます」
プロレスの試合中も、グラドルの意識がある
つまり彼女は、筋肉をつけすぎずに強くなるという難題に日々、挑んでいるのだ。
「でもプロレスって大きさも強さのうちなので。練習でも筋肥大を狙ったメニューが多いんです。だから自分なりの工夫が必要ですね。プロレスラーの私を応援している人は、体が大きくなると喜んで褒めてくれる。それが嬉しくて、つい甘えて“もうちょっと太っても大丈夫かな”って思ったり。でもグラドルとしてはそれじゃダメですし」
髪、ネイル、肌のケアなどなど。体への“投資”は普通のプロレスラー以上だという。
「プロレスの試合をしている時でも、私はプロレスラーとしてだけでなくグラドルとしても見られてるんだと思ってます。闘っていても“女性として魅力的であること”は欠かせないんです、私の場合」
「綺麗になって褒めてもらえて稼げる。こんないいことないです」
美しくなること、美しくあること。それは杏ちゃむにとって“仕事”であり、同時に人生そのもののテーマでもある。
「昔は顔のことでいじめられたり、メイクもヘタでした。簡単に言うと“イモ”でしたね。だから可愛い子を見るのが好きで、ファッション誌もよく見てました。自分が撮られる側になってみると、周りに可愛い子がたくさんいるんですよ。で、その子たちが化粧品だったり似合う髪色だったり、いろいろ教えてくれて。少しずつ自分の見た目に自信がついてきて、可愛い服が似合うと思えるようにもなってきて」